【 『生い立ち』 ー麗と響の往復書簡ー♯2 】- 響(santuario)東京/性感マッサージ

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響の写メ日記

  • 『生い立ち』 ー麗と響の往復書簡ー♯2
     『生い立ち』   ー麗と響の往復書簡ー♯2

    男は女で愛の強さを知る。

    ぼくの場合も"かあさん"からそれを学んだ。


    形のないものや目に見えないものの中に

    愛は含まれるけれど

    それに触れられたのは

    "実感"がそこにあったから。



    ある少年は

    "とうさん"大好きっ子だった。

    なぜかって?


    歌を歌っても将棋をしてもボーリングをしても

    何をしても勝てない憧れの人だったから。

    滅多にない休みの日には

    ポマードで固めた髪に革ジャンか鉄板で

    タバコ臭い喫茶店によく連れてってくれるのが

    お決まりだった。


    でも父親っ子になったのは

    そんなところに理由はなくて

    単純に

    あんまり家にいない存在だったからだと思う。


    たまにしか一緒にいれないから

    その分の反動がすごいレアな人みたいな?



    『仕事が忙しい』

    それが口癖のとうさんに

    かあさんが文句を言ってるのを聞いたことがない。

    それはきっと

    仕事に勤しむとうさんのことも

    心から愛していたからだと思う。


    0時を超えて少年が眠る頃

    帰宅したとうさんに

    毎晩のように晩酌に付き合っていた

    母親の愛くるしい笑顔が

    今でも目に浮かんでくる。

    寝たふりをして

    ドアの隙間から見てニヤニヤする時間も

    嬉しくて安心する時間だった。



    ある時

    父親が急に転職をした。

    同時に『ケジメだ』と言ってタバコをやめた。

    高給取りだったけれど

    家族と過ごす時間を優先させたみたい。


    休みの日にはとうさんかあさんが

    仲良く庭にレンガの囲いを作るほどになっていた。

    今思えば

    愛の柔らかさと

    そして強さを知った瞬間なのかもしれない。



    そんな少年もいい大人になったけれど

    とうさんともかあさんとも10年は会っていない。

    元気にしているだろうか。

    生きてくれていたらそれでいい。

    オレは今は北海道にいないよ。

    都会でなんとかやってるよ。

    二人の愛は絶対忘れないからね。

    愛してくれてありがとう。


    santuario 響




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