【無題】- 実樹(東京萬天堂)東京/性感マッサージ

東京萬天堂

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実樹の写メ日記

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    実樹
    無題

    第24号「MIKINOKIMI」



     



    2022年の10月13日は"ぬかるんだ夢という名の泥"に残った自分の足跡を確かめていた。



     



    俺の生い立ちは暗い。



    にゃんこ大戦争で両親を亡くした俺は孤児だった。



     



    新宿の地下、そう、新宿サブナードで寝泊まりしていた俺は常に腹を空かせていた。



    この地下暮らしで手に入る食べ物は"宝くじ売り場の横に誰かが破り捨てたハズレスクラッチのカス"くらいなもんで。



    俺はそんな残念な紙切れに渋々しゃぶりつき、飢えを凌いでいた。



    それか四角いラップで包んである超美味いクレープ。



    それかベルクのホットドッグ。



    あと小籠包。専門店のやつ。中のスープを先に啜るなんてマナーは知らねえよ。教育をくれる大人はいねえんだ。



     



    薄汚ねえドブネズミだった。



    幼い俺は新宿の地下で人知れず膝と"両親の形見"を抱えながらヴヴヴヴヴ…ヴヴヴヴヴ…と孤独に震えていた。



     



    ある夜(新宿サブナードのお店で服買ってる人見たことないなぁ…)なんてボーッとしてたら、メイウェザーのように屈強な黒人の男が突然「Hey‼︎ Pretty Boy‼︎」と俺の腕を掴み、連れ去られそうになった。



    「ファビョラス」の英単語しか知らなかった俺は日本語で咄嗟に「な、なんくるないさ!」としか叫ぶことができない。日本語どころか沖縄弁だ。しかも"大丈夫"って意味の沖縄弁。



    通じてた。ニコッと笑う。



    メイウェザーはゲイウェザーかも知れないが俺はヘテロセクシュアルだ。ピンチだ。



     



    現代の日本人は冷たいどころか気付かない。



    みんなセイキンかゆきりんのYouTubeに夢中で俺のSOSに誰も気づいてくれなかった。



     



    涙目になって、このまま本場のブラックミュージック・HIPHOPを仕込まれて、新宿のストリートで揉まれ、漢 a.k.a. GAMIとフリースタイルバトルすることになるんだ…怖いよぉ…disられたくないしdisりたくないよぉ…。



     



    強制的に韻を踏まされる生活を悟り、諦めかけたその時…俺の腕からメイウェザーの手がパッと離れた。



     



    俯いていた顔を見上げると、大きな荷物を抱えたお兄さんがメイウェザーに「スキンシップは焦らすのかコツさ」と言いながら、左手で手首を強く握りしめ、右手でメイウェザーの乳首を弄っていた。



     



    お兄さんの握力と乳首の快楽に驚いたメイウェザーは膝から崩れ落ち、誰かが地面に投げ捨てた花束を拾い「ハナタバミタイナコイヲシタ!」と片言の日本語で映画のタイトルを叫んで電動キックボードで走り去っていった。



     



    「大丈夫?」と声をかけられた俺は「なんくるないさ」と答えた。お兄さんは「それはちょっちゅねだ」と笑顔をくれた。



    俺が「さっき何をしたの?」と問うと、お兄さんは「今のは性感呪術・乳閃…いや、君にはまだ早いね。破廉恥をしたのさ」と答えた。



    俺は「はれんち…?」と呟いた。



    お兄さんは「そう。破廉恥。破廉恥は信頼する異性と酷い運命を乗り越えるためにあるんだ」と言う。俺はキョトンとしていた。



    お兄さんが「家に帰ってお父さんとお母さんに聞いてごらん」と言ったが、首を横に振った。



    お兄さんは何かを察したように「…君は一人かい?」と聞いてきた。



    俺は黙って頷き「にゃんこ大戦争の時に二人とも…」と言いかけて、言葉を失った。



     



    「そっか…だったら君にこれをあげよう」



    「なにこれ?」



    「ピンクローターさ。この子はもう壊れて動かないけどね」



    「動かないの?」



    「そう。だから君に"御守り"代わりに持っててほしいんだ」



    「御守り?」



    「ああ。大事にしてくれるかな?」



    「うん!俺、大事にするよ!えへへ!仲間ができぞ!よかったな!クロ!」



    「クロ…?…君!それはクロデンマじゃないか!一体どこでそんなもの…」



    「父さんと母さんの形見なんだ」



    「形見…そっか、坊や。僕は、ピンクローターの悪魔と契約した、君はクロデンマの悪魔と契約している。仲良くするんだよ」



     



    俺にそう告げると、お兄さんは颯爽と大きな荷物を抱えて、立ち去ろうとしていた。



    俺は「待って!お兄さんは誰なの!?」と叫んだ。



    お兄さんはクルッと後ろを振り返り「僕は"ピンクローターマン"通りすがりの性感ハンターさ」と言い残して地上へ消え去った。



     



    あれから十数年。



    俺は東京卍天堂の門を叩き、面接を受けている。



    面接官から「君はなぜセラピスト…つまり性感ハンターになりたいのかな?」と質問された。



    俺はポケットの中で壊れたピンクローターをギュッと握りしめ、心臓のクロをサッと撫でて、面接官の目をまっすぐに見つめてこう答えた。



     



    「破廉恥で信じた女とかったるい宿命を乗り越えるため」



     



    面接官が「合格」と告げる。



     



    「ようこそ。Pretty Boy.」



     



    その瞬間、一度も動いたことのなかったピンクローターがヴヴヴヴヴヴ…と震え、一人でに動き、面接官のケツの中に入っていった。



     



    「待ってたよ。クロデンママン」



     



    …書ける時に書く精神で書いたらマジで中身のない日記になってしまったw



    バーンと日記で伝えたいことは何もないんですw



    君へのアピールになってる?逆効果?w



    小ネタ沢山入れたのでわかったら教えてね



     



    大きく伝えたいことは無いけど、君と向き合って伝えたいことは山程あるよ。



     



    君をまったり待ったり



     



    実樹



    @miki_mantendo






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