昔から世事に疎いもので、時々世の中から取り残されたような気分にさせられることがある。
何週間か前の話。
ネットのニュースで、アニメのサザエさんに幻のキャラがいたというタイトルの記事を見掛けた。
サザエさんは、今では見る機会も無いけど、子どもの頃は毎週毎週何となくダラダラと視聴していたので、たいていのサザエさんキャラは把握している自信があった。それだけに幻のキャラという文言は、ちょっと心に引っ掛かった。
で、記事を読んでみると、なんてことはない、磯野家のお隣に住んでいた浜さん一家が紹介されていたのだった。
磯野家のお隣には今は伊佐坂先生が暮らしているけれど、僕が子どもの頃は画家の浜さん一家が暮らしていた。浜さん一家はちょくちょくサザエさんのエピソードにも登場しており、割と磯野家とは密にご近所付き合いされていた気がする。僕の中ではサザエさんの登場人物の中でもポピュラーな方だという印象。これは僕だけではなく、僕と世代が近い方ならみんなそう思うはずだ。その浜さん一家が、どうして幻のキャラ扱いされているのだろう?
記事を読み進めていくと、僕の知らない大きな情報が記されていた。浜さん一家は1985年に転居したそうなのだった。浜さんがいない事は何となくわかっていたが、もう40年近くも前に物語から退場していた事までは知らなかった。そうかあ、浜さんそんな昔に引っ越しちゃったのかあ。霜月少年が恋心を寄せていた浜家の一人娘ミツコさんも遠くへ行ってしまったのかあ僕の恋仇のカツオくんも、さぞかし胸を痛めたことだろう。
そして、浜家が転居した同じタイミングで、ノリスケさん一家は転勤、三河屋の御用聞きの青年も帰郷してしまったとのこと。どうりで最近は見慣れぬ若者が磯野家に出入りしているわけだ。
この40年間、サザエさんを全く見ていなかったわけではない。それまでと同じく、夕食までの時間繋ぎに、何となくダラダラと見る機会がたくさんあった。しかし浜さんが転居してそんなに長い年月が経っていた事は全く知らなかったし、当然伊佐坂先生の再登場から40年近く経っている事もしらなかった。
若い世代の方々が浜さん一家を知らない事は、無理もない事なのかもしれないけれど、自分が慣れ親しんだ物事が幻扱いされる事に、何だか釈然としないものがある。どうしようもない寂寥感、そしてその後湧いてくる悔しさ。これが年齢を重ねるという事なんだろうなあ。
この悔しさを武器に、いつか火曜日サザエさんについて、書き殴りたい。
「おまけ」
アニメのキャラは歳を取らないからミツコさんも何年経とうが女子高生のミツコさんのまま。
でも、もしも別の世界で年齢を重ねていたとしたら…
真面目で優しい人柄のミツコさんは、ミツコさんと同じく優しくて真面目な男性と結ばれ、仲睦まじく幸せな家庭を築いていた。
しかし40代を迎えた頃から、何か心のどこかが満たされず、刺激を求めるようになっていた。そんなある日、友人から女風というものの存在を聞き、それからというもの、来る日も来る日もお店のホームページを閲覧する毎日を送っていた。
登録しているセラピストのプロフィールを隅から隅まで熟読していたため、たいていのセラピストの情報はほぼ頭に入っていた。
利用する勇気はまだない。
そんなある日、1人の新人セラピストのプロフィールに目が止まった。
野球が趣味でイガグリ頭。
目立ちたがりの弟タイプ。
「あの子だ」
ミツコは思った。
この話の続きは、皆様に委ねます。
ハッピーエンドにしましょうね。
昔から世事に疎いもので、時々世の中から取り残されたような気分にさせられることがある。
何週間か前の話。
ネットのニュースで、アニメのサザエさんに幻のキャラがいたというタイトルの記事を見掛けた。
サザエさんは、今では見る機会も無いけど、子どもの頃は毎週毎週何となくダラダラと視聴していたので、たいていのサザエさんキャラは把握している自信があった。それだけに幻のキャラという文言は、ちょっと心に引っ掛かった。
で、記事を読んでみると、なんてことはない、磯野家のお隣に住んでいた浜さん一家が紹介されていたのだった。
磯野家のお隣には今は伊佐坂先生が暮らしているけれど、僕が子どもの頃は画家の浜さん一家が暮らしていた。浜さん一家はちょくちょくサザエさんのエピソードにも登場しており、割と磯野家とは密にご近所付き合いされていた気がする。僕の中ではサザエさんの登場人物の中でもポピュラーな方だという印象。これは僕だけではなく、僕と世代が近い方ならみんなそう思うはずだ。その浜さん一家が、どうして幻のキャラ扱いされているのだろう?
記事を読み進めていくと、僕の知らない大きな情報が記されていた。浜さん一家は1985年に転居したそうなのだった。浜さんがいない事は何となくわかっていたが、もう40年近くも前に物語から退場していた事までは知らなかった。そうかあ、浜さんそんな昔に引っ越しちゃったのかあ。霜月少年が恋心を寄せていた浜家の一人娘ミツコさんも遠くへ行ってしまったのかあ僕の恋仇のカツオくんも、さぞかし胸を痛めたことだろう。
そして、浜家が転居した同じタイミングで、ノリスケさん一家は転勤、三河屋の御用聞きの青年も帰郷してしまったとのこと。どうりで最近は見慣れぬ若者が磯野家に出入りしているわけだ。
この40年間、サザエさんを全く見ていなかったわけではない。それまでと同じく、夕食までの時間繋ぎに、何となくダラダラと見る機会がたくさんあった。しかし浜さんが転居してそんなに長い年月が経っていた事は全く知らなかったし、当然伊佐坂先生の再登場から40年近く経っている事もしらなかった。
若い世代の方々が浜さん一家を知らない事は、無理もない事なのかもしれないけれど、自分が慣れ親しんだ物事が幻扱いされる事に、何だか釈然としないものがある。どうしようもない寂寥感、そしてその後湧いてくる悔しさ。これが年齢を重ねるという事なんだろうなあ。
この悔しさを武器に、いつか火曜日サザエさんについて、書き殴りたい。
「おまけ」
アニメのキャラは歳を取らないからミツコさんも何年経とうが女子高生のミツコさんのまま。
でも、もしも別の世界で年齢を重ねていたとしたら…
真面目で優しい人柄のミツコさんは、ミツコさんと同じく優しくて真面目な男性と結ばれ、仲睦まじく幸せな家庭を築いていた。
しかし40代を迎えた頃から、何か心のどこかが満たされず、刺激を求めるようになっていた。そんなある日、友人から女風というものの存在を聞き、それからというもの、来る日も来る日もお店のホームページを閲覧する毎日を送っていた。
登録しているセラピストのプロフィールを隅から隅まで熟読していたため、たいていのセラピストの情報はほぼ頭に入っていた。
利用する勇気はまだない。
そんなある日、1人の新人セラピストのプロフィールに目が止まった。
野球が趣味でイガグリ頭。
目立ちたがりの弟タイプ。
「あの子だ」
ミツコは思った。
この話の続きは、皆様に委ねます。
ハッピーエンドにしましょうね。