先日、ちょっとYoutubeを見てみたら、とある(エラい)方が「野口英世は大きな研究成果を残していない」ということを仰っていた。
これは、確かに一理ある話で…
野口英世が発見した病原体のほとんどが間違いだということが、その後の研究で分かっている。
晩年の黄熱病の研究でも大きなやらかしをやっているし、ひどい浪費癖もあった。
でも、決して人たらしとハッタリだけで地位を築いた人ではない。
むしろ、僕らの仕事に直結する大きな成果も残しておられる。
そもそも、野口英世は
・人(特に欧米人)がいやがる研究でも積極的に行う(むしろ、そこに活路を見出す)
・寝食を忘れて研究に打ち込む
・実験のスペシャリスト(たとえば、危険な物体の入った試験管を複数振る、といったテクニックで実験を時短した)
というタイプの研究者。
一言で言えば「とにかく手を動かす」タイプかもしれない。
とくに一番大事だと思うのが、一番目の「人がいやがる研究でも積極的に行う」という点。
アメリカ人研究者が避けていた「ヘビ毒」や「梅毒」の研究を渡米後に行っており、その成果で、ロックフェラー医学研究所の研究者の地位を獲得した。
直接治療薬・治療法を発明してはいないけれど、当時手つかずだった「梅毒」の研究の基礎を固め、次の研究への基礎を作ったのは、紛れもなく野口英世なのだ。
だから、この業界で働く人は、野口英世に足を向けて?寝られないし、1000円札を神棚に飾っておくくらいのことはしてもいいと思うのだ。