最近読んだつまらない本の供養を、ここでしたい。
その本はまあAI関係の本で「未来はこんなスゲーことがありますよ」という喧伝本だ。
その本曰く「2028年には、ロボットは人間との真の関係を築き、人間をサポートする。セックスボットも人気を集める」らしい。
そういえば、スティーブン・スピルバーグの映画「AI」では、ジュード・ロウ扮するセックスロボット:ジゴロ・ジョーが「ロボットとのセックスを知ったら、人間とのセックスには戻れない」と言っていた。
あと5年でそうなるんだろうか?
僕は全くそう思わない。
理由は単純で、人間はセックスのことをまるで分かっていないから。
もっと言えば、人が人を感じる、という非常に基本的なことすら、人間は理解していない。
例えば、コロナ禍でリモート会議をしていた人は沢山いる。
さて、そのリモート会議は、対面の会議と同じだったろうか?
もっと言えばリモート会議システムやVR、メタバースは、親しい人と会って同じ空間で同じ時間を過ごす、その代わりになるだろうか?
なるとしたら、あるいはならないとしたら、それはなぜ?
こんなシンプルな問題すら、まともな答えが返ってきたためしがない。
人と人が会うとき、そこには素晴らしい力が働く。
安らぎ、緊張、癒やし、厄介ごと、あるいは、もっと言葉にできない何か。
何かは分からないけど、そこにリモートでは得られない確かな力と、そこから生じる何かがある。
その力の正体をまるで理解していないのに、その力のピークであるセックスを模倣するロボットなんて、つくれるわけがないのだ。
もちろん、ライト兄弟のように、航空力学ができるまえに飛行機を飛ばす可能性もなくはないけど…。
でも、少しでも人と人が会う力を理解している人なら、セックスロボットなんて作ろうと思わないんじゃないかな。
そういう人は2028年になっても、たぶん人間とセックスをしている。