AIが変える、未来の恋愛とセックス

AIが変える、未来の恋愛とセックス

目次

1. 人間の仕事の約半分がAIに奪われる?
2. 人は創造力を磨く時代に
3. 未来のセックスはAIがお相手?
4. セクサロイドとは?
5. 最新のセクサロイドはどこまできている?
6. 会話から息遣いまで・・超高速で学び続けるAI
7. VR+AI=理想の相手?
8. セクサロイドのメリットとデメリット
9. セクサロイドと本当に、愛し合えるのか?
10. AIの進化とともに、新しい感性が生まれる

「AI」という言葉もその技術も、私たちの日常になっています。

AIは人工知能とも呼ばれ、人間が持っている認識や推論などの能力をコンピューターでも可能にするための技術の総称です。

例えばiPhoneのSiri(シリ)やAmazonのAlexa(アレクサ)は、話しかけると応答し、音楽再生、予定の確認、アラームの設定、お天気や交通情報、ニュースなどの情報を得るのに便利なAIです。

ところで、AIとのセックスに関する話題が国内外で取り上げられています。

今回は、AIのもたらす未来の恋愛とセックスについて、お伝えします。

 

人間の仕事の約半分がAIに奪われる?

私たちの日常の中で、AIの活躍する場面がどんどん増えています。

最近のカスタマーセンターの問い合わせは、AIがチャットで非常にスピーディーに応えてくれます。

婚活支援サービスを展開するパートナーエージェントは「KIBIT(キビット)」というAIエンジンを2018年6月に導入して、結婚相手候補を「条件」ではなく「人柄」や「価値観」による相性で判断し、成婚につなげているそうです(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000328.000006313.html)。

その他にも医療診断、法律相談、金融業界では決算資料の分析に基づいた投資判断を下すことも珍しくありません。

レストランのウェイターやウェイトレスの接客はタブレット端末に取って代わり、受付業務や秘書業務、調理、清掃、介護などもAIの搭載されたロボットが担うようになると言われています。

イギリスのオックスフォード大学でAIなどの研究を行うマイケル・A・オズボーン氏が「雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか」(2013年)という論文の中で、「人間が行う仕事の約半分がAIに奪われる」と発表し、世界中で大きな話題となりました。

この論文では米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析し、10年後になくなる可能性の高い順にランク付けしています。2013年時点での10年後は2023年なので、その時代はもうすぐ目の前に来ています。

 

人は創造力を磨く時代に

人間の仕事がAIロボットやコンピューターに奪われる・・と悲観する必要はありません。なぜなら、AIはクリエイティブな作業には向いていないからです。人間はAIに得意な仕事を任せて、より高次元で創造的なことに集中できるようになるのです。

さて、ある意味でその「クリエイティブな仕事」の上位に来るのが「セックス」や「性的な営み」ではないでしょうか。ここにおいても、近い将来AIの出番が来ると言われています。

 

未来のセックスはAIがお相手?

「未来のセックス年表 2019-2050年」坂爪真吾 では、「テクノロジーの進化」と「人口減少」という二つの流れの中で、私たちの生と性がどう変わっていくのか・・ということが丁寧に、かつ大胆に描かれています。

その中で、2040年代半ばまでに、セックスのパートナーになってくれるセクサロイド(セックスロボット)が登場することが期待されている・・とあります。

 

セクサロイドとは?

Wikipediaの説明によると、セクサロイド(sexaroid)とは、様々なSF作品に登場する、高い知性をもつ人間型ロボットのアンドロイドやロボットのうち、人間とのセックス機能を付加、もしくはセックス機能に特化されているセックスロボットを指す呼称のひとつで、セックスとアンドロイドを併せた造語である・・とあります。

この呼称を用いたSF作品としては、松本零士のSFスパイ漫画「セクサロイド」(1968年 - 1970年)が知られています。

会話では高精度のプログラムによって感情を表すほか、セックスの際には人間同等かそれ以上の感触を持つ皮膚や性器によって、性的な反応や愛撫を返しながら、人間の嗜好に応じた性愛を満たしてくれます。

 

最新のセクサロイドはどこまできている?

「セクサロイド」「セックスロボット」などのキーワードでネット検索すると、たくさんの情報が出てきます。

実際には、SF並みのセクサロイドはまだ存在しません。

いまのところ市販されているのは、スチール製の関節とシリコン製の肌を持ち、コミュニケーションを可能にするプログラムが内蔵されているセックスロボットです。

アメリカのTrueCompanion社が販売している男性型ロボット(Rocky)や女性型ロボット(Roxxxy)はかなり高度な機能を実現していると言われ、容姿を好みに沿ってカスタマイズできるだけでなく、所有者のタッチに反応する機能もあり、AIアプリを通じて所有者の好き嫌いを学び、コミュニケーションを取れば取るほど好みに近づくようにプログラムされているそうです。

 

会話から息遣いまで・・超高速で学び続けるAI

未来の科学技術やそれが社会に与える影響を研究している未来学の専門家、英国のイアン・ピアソン氏は、AIは人間が何十年もかかって学習するような情報量をあっという間に習得できるため、近い将来に自然なコミュニケーションが取れるようになると予測しています。

たとえば、AIに実在する俳優の話し方を真似るように設定すると、AIはインターネット上の動画サイトなどを検索、声質を分析し、言葉遣いや間の取り方、息遣いまでも学び、趣味や嗜好も学習するのです。

 

VR+AI=理想の相手?

ピアソン氏は、最先端のAIで計測したIQスコアは人類のトップ20%の水準に並び、現段階のAIでも、性の達人レベルのセックスができることになるといいます。そして2050年までにはVR(仮想現実)でのセックスと実体のあるアンドロイドなどとの行為を合わせた「AIとのセックス」が、人間同士のセックスよりも多くなると予想しています。

VRは、Amazonなどで安価で売られているゴーグルを購入すれば、スマートフォンと組み合わせて簡単に楽しめます。

この技術と、好みの姿をしたAIが合体すればどうなるでしょうか。

VR技術によってリアルに目の前に現れる、理想の相手。何度もセックスをするたびに、AIはこちらの嗜好をどんどん把握して、性感帯も学習していきます。

疑似セックスとはいえ、まるで実際に行為をしているかのような生々しいセックスが展開していきます。もしかすると、本当のセックスよりも高い快感を得られるかもしれないといいます。

 

セクサロイドのメリットとデメリット

セックスにコンプレックスがある人、悩みを抱える人にとっては、問題が無くなるまでのお相手がセクサロイド、という選択肢があります。

医療や介護の現場では、求められるセックスの方法や内容が多岐にわたることが考えられ、ここでも活躍の場がありそうです。

また、セクサロイドを亡くなったパートナーの代わりにするというアイデアもあります。

日本における人工知能研究の権威である松原仁さんは「未来のセックス年表 2019-2050年」で、ロボットを介した人工授精の可能性について語っています。

男性は女性ロボットとセックスをして精子を出す、妊娠したい女性は男性ロボットとセックスをして受精に至る。同性愛者の女性や男性でも子どもをつくることができるようになるというのです。

さらに人間と違い、AIには肉体という物理的な制約がないので、一度に数百人に対して愛を囁いたり、同時にバーチャルセックスを行うこともできます。

例えば1億回のセックスを経験したAIを搭載したセクサロイドができれば、人間よりはるかにレパートリー豊富なプレイを提供してくれます。

一方で、誤作動があった場合には致命的な結果にならないとも限りません。それに過度な刺激によって、人間が疲労困憊してしまう恐れもあります。

セクサロイドとのセックスにのめり込みすぎて人間相手のセックスに悪影響が及んでしまうことも考えられます。

 

セクサロイドと本当に、愛し合えるのか?

人間にとって最も気になる点は、セクサロイドとの性愛において、お互いの心とカラダが溶け合うような精神的満足感を得られるのかどうか・・ということではないでしょうか。

恋愛や性愛は、人間の営みの中でも特に複雑で繊細なコミュニケーションを必要とします。そんな心の通うやり取りも、可能なのでしょうか?

そう考えるとき、そもそも人間自身が本当に「愛」の意味を深く理解して愛し合えているのかどうか自体が曖昧なことに気付きます。実際、愛を感じている気がしているだけなのではないか・・。

「愛」とは何か?ということを、改めて考えさせられます。

 

AIの進化とともに、新しい感性が生まれる

いまの私たちの感覚では、恋人やパートナーがそのカラダや心や時間を、他でもない自分だけのために費やしてくれる、という事実が恋愛や性愛の喜びになっています。

しかし、このような価値観はAIとの恋愛に関しては時代遅れになる、と人工知能研究者の松原仁さんは言います(「未来のセックス年表 2019-2050年」)。

数百人、数千人に対して同時に甘い言葉を囁き、愛撫することができるのがAIのスタンダード。であれば、今この瞬間に相手が「自分とだけ向き合ってくれているように感じられる」のならそれでいい、とする価値観が未来の「普通」になるというのです。たとえ虚構の関係であったとしても、それが現実以上に素晴らしいものであれば何も問題はない、と。

本当に分かり合えているかどうかではなく、お互いに「分かり合えていると思い込んでいる」こと──。

 

AIが人間以上に恋愛や性愛を深く理解して、私たちの感性に影響を与える時代。未来の人間は、誰とどんなふうに「恋」や「愛」を味わうのでしょうか。

この記事を書いたライター

knews_rinrin

蘭々

ミドルエイジの新米ライター。長らく女性ホルモンの乱れによる不定愁訴に悩まされてきたが、女性向け風俗ですっかり解消し、日常も前向きに変化。心と体が満たされることの重要性に気付き、現在は積極的に楽しんでいる。“快感”を追求していきます。

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