欲求不満オンナの衝動

欲求不満オンナの衝動

私が20代秋葉原でOLしていた頃、人妻OLのK代先輩と会社の飲み会で海外ドラマの「SEX AND THE CITY」が好きだという話から意気投合。

姉御肌で頼れる先輩はサマンサ、恋愛至上主義のキャリーに自分の姿を重ねた私は会社のオジサマ方の下ネタに対抗するべく、先輩とは猥談ばかりしていた。

飲みに行く回数も徐々に増えるのと同時に私の中では心配事も感じていた。

「K代先輩、こんな頻繁に飲み歩いて旦那さんに怒られないの?」

「大丈夫だよ。どうせアイツ遅いし!」

と言いながらも、先輩のカバンから携帯のバイブ音が何度も響いているのが気になっていた。

「電話鳴ってるみたいだけど、出なくていいの?」

「今日は蘭と朝まで飲むんだからぁ~。そうだ、N商事の営業くん達呼ぼうよぉ。」

「え~今から?もう私電車なくなるよ。」(N商事は私の内緒の彼がいるからソレは勘弁!)

先輩は酔いつぶれて寝てしまい、途方に暮れていると先輩の電話が鳴る。旦那さんだろうと思い、私は出る。事情を説明すると車で迎えに来てくれるというので待つことに。

20分ほどで到着したのは、プロレスラーの蝶野みたいなガタイが良いスキンヘッドの旦那さんだった。

夜なのにサングラス。旦那さんは男前に私らの飲食代を精算すると先輩をヒョイと抱きかかえて、私を車に誘導する。(はぁ~N商事軍団いなくてセーフ。)

「家、○○方面だったよね?K代から聞いてる。いつもありがとう。」

「はぁ。なんかこっちこそいつもすみません。」

「俺、不規則な仕事で家あけること多くて、寂しい思いさせてるから、遊んでやって。」

先輩は旦那さんのことハゲとか、ジジイとか加齢臭だの散々言ってたけど、私には面倒見が良くて魅力的にうつったと同時にふたりの間に色々と問題も積もっているようにも感じた。

数日後懲りないK代先輩は、N商事のT氏にゾッコンでなんとか近づきたいと私を困らせた。

私の彼情報によると、営業3課のN美とデキている。N美は休み明けにはいつも首筋がキスマークだらけで、ソコに絆創膏つけてくるようなちょっと面倒な子。まさかT氏の咬み後とは先輩に言えない。

旦那さんの顔もちらついて、私は乗り気じゃなかった。しかも私まで彼氏に変な誤解を受けそうだったから。とりあえず、セッティングして、頃合いみてサッサと帰ろうと作戦。先輩の欲求不満話も聞いていたから、無下に断れなかったのだ。

飲み会スタート。もう私の入る余地は無く、別の場所に彼氏を呼びつけ誤解を解くべく二人で飲み直し。居酒屋の個室でイチャつくも、先輩が気になって上の空。平日ど真ん中だしおとなしく帰宅。

次の朝。先輩が出社していない。携帯電話は電波不通、嫌な予感的中。すると会社に先輩の旦那さんから電話が入る。「妻が帰っていない」と。社内がざわつき、私は即座に「電話変わります!」と課長から受話器を奪いとった。

「もしもし、蘭です。この間はどうも。Kちゃん、昨日私の家に泊まったんです。ちょっと悪酔いしてしまったみたいで。」

「ああ、それならいいや。会社にまで電話することなかったな。ありがとう。」

受話器を置くと、すかさず課長が「蘭くん、一緒だったなら早く言えよ。」

「はあ、すみません。欠席理由が二日酔いじゃ先輩に怒られそうで。」

ほどなくすると先輩から私の携帯にコール。トイレへ駆け込み先輩に電話をする。

「先輩、どこなの?旦那さんから会社に電話あってさ、私の家に泊めたことにしてるよ。」

「T君と錦糸町のホテルにいる。あはは。」

「笑い事じゃないよ!危機一髪ってとこよ。私が電話出て、何とかしたから。」

「蘭、アタシこれで良かったのよね。」

「うん・・・。」

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KaikanNews編集部

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