プロポーズというのは
「もう俺たち結婚でしょ」
みたいな空気の中でするから
9割成功する勝ち戦だと
思っていたけど、
見事に砕け散った。
プロポーズ(プロポーズまがいなこと)をして
断られたことがある。
シングルマザーで
当時、中3の息子がいる
女性と付き合っていた時のことだ。
その人は初めて2人で呑んだ日に
3軒目行こうと言って
ラブホテルに僕を連れ込むくらい
ぶっ飛んでて面白い人だった。
(とんちが効いてて面白いと思った)
仕事で帰りが遅い人だったから
週に一回会う日は
先に彼女の家に行って
晩飯を作って中3息子に
食べさせていた。
その子はいじめられてるわけでもなければ
暗いわけでもない
ただ学校に行く意味を見出せない
最近増えているらしい明るい不登校だった。
夜中までオンラインゲームをして
昼起きてきて昼飯をねだって
またゲームをして昼寝をして
晩飯を食べてまともに風呂も入らず
また夜中までゲームをする
ルーティンで生きていた。
そんなだらしない生活をしている人間を
無条件に可愛いと思えるほど
心が広くないので、
こいつが毎日学校に行って
晩飯の用意ができた頃に
部活を頑張って終えて帰ってきたら
どんだけ可愛いだろうなと
何度も考えた。
よその家に上がり込んでるのは
こっちなのに。
ある時、敬愛するおじさまに相談してみた。
「その年代の子は自我が大きく育つから
子どもではなく、一人の人間として
接してみなさい」と
自身の経験も交えて
アドバイスをくれて納得した。
彼女の帰りを待つ間、
その子が晩飯を食べている
テーブルに一緒に座って
アテだけ食べながらビールを呑む。
おじさまのアドバイス通り、
友人や同僚と話すように
好きなアニメやゲームの話を聞いたり
お母さん(僕からすると当時の彼女)の
ああいうところがガサツだとか
こんなところが可愛いとか2人で話した。
2人で銭湯に行くようになった頃
僕は中3息子を1人の人間として
可愛いく思うようになっていた。
ちょうどその頃中3息子も彼女に
「あの人ええやん」と言ってたらしい。
そんなこともあり、
彼女のことが自分のことより好きだった僕は
布団の中で結婚を真剣に考えてるみたいな
準プロポーズ的なことをした。
私は考えてないとあっさり断られた。
子どもができにくかった彼女は
中3息子をお腹に宿す際に
相当、辛い思いをしたらしく
もう一度その辛い思いを
自分がしたくないことと
その辛さを僕にさせたくないというのが
断られた理由だった。
それやったら早よに
別れてくれよなというのが
この話を聞いた
僕の周りの感想の相場だった。
そう思うのも分かるけど
3人で過ごした時間は
かけがえなかったし、
やっぱり人間寂しさが勝つから
誰かにそばにおって欲しいという気持ちを
君たちは分からへんのかと
ありきたりな感想にうんざりしていた。
フラれた晩は2人で泣きまくったけど、
僕も自分の子どもが欲しくて
最悪できなくても良いからとは言えず
結局、別れた。
それだけ苦労して生まれてきた息子が
学校に行かないくらいのことは小さなことで
元気に生きてるだけで花丸をあげるらしい。
母親は強いと思う。
santuario永士
永士の写メ日記
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プロポーズは失敗することもある永士