【No.174 時代の移り変わり】- 山田 えいと(Un moment pour toi)- 性感マッサージ

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山田 えいとの写メ日記

山田 えいと

山田 えいと  (25)

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  • No.174 時代の移り変わり
    山田 えいと
    No.174 時代の移り変わり

    一時期、お婆ちゃんの昔話を聞くのが病的に好きでした。





    ここでは親しみを込めて「祖母」ではなく「お婆ちゃん」と言いましょう。





    僕の実家は父方のお婆ちゃんと一緒に暮らしていました。僕のお婆ちゃんはタラの芽の天ぷらを作るのがとても上手です。





    そんなお婆ちゃんは、よく昔の話をしてくれました。学生時代に流行っていた遊び、僕が子どもの頃のエピソード、戦後の日本の話。などなど。





    でも僕が一番記憶に残っているのは、8年前に亡くなった僕のお爺ちゃんとの出会いについてです。つまり、おじじとおばばの馴れ初めの話ですね。





    よく2人で喫茶店に行ってたんだ〜とか、どこどこで待ち合わせすることが多かったんだ〜とか、お爺ちゃんも昔はカッコよかったのよ、フサフサで〜とか。





    それである時、2人の思い出の曲を教えてくれたんです。2人がひとつの部屋で一緒に聴いていた曲。





    フランク永井『有楽町で逢いましょう』





    「もう最近はもう全然聴かなくなっちゃったわ、、、」とお婆ちゃんは言うので、僕は善意のつもりでスマホのApple Musicからその曲を流してあげました。





    僕とお婆ちゃんしか居ない静かな部屋に、哀愁感漂う官能的なイントロが流れ出しました。





    そのとき、お婆ちゃんはとても切なそうな顔をしました。





    「ごめんね、、、やっぱり今日はやめておこうかしら」





    僕はすぐに音楽を止めました。



    きっと、お爺ちゃんに逢いたくなって、寂しくなっちゃったのかな









    その後、僕は一人で自分の部屋に戻って、『有楽町で逢いましょう』を聴きました。





    熱い熱い恋の唄でした。この唄が無かったら、僕はきっと産まれてこなかったのかも。と思えるほどの。




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