
寒いからこそ裸になろう
冬真っ只中。寒いね、寒いね、という挨拶が日常化されているこの季節は実際、性に対しても実に億劫になる。
裸になる行為をするにあたり、ホテルに行くならばともかく(けれど、ホテルに行くまでが寒い)自宅でのおこないはそれは、それは、勇気を要する運動である。
裸になって行為に及び出すと不思議なもので寒さはさほど感じなくなる。暖房がいくら効いている部屋でも布団をまくれば寒いに決まっている。けれど、行為の最中は寒さを感じなくなる。なぜだろう?
男性の場合は騎乗になるので、腰を稼働しているがゆえ、ときに背中が汗ばむことがある。女性は基本受け身なのであまり稼働はしないが、真っ裸の体は冷気にさらされ、男性の目にさらされる。行為の最中は快感モルヒネが出まくるので寒さなどは感じないのだ。行為に没頭し、好きな男に抱いてもらうことがなによりの暖をとる方法にすぎない。
寒いから着込むのではなく、寒いから洋服を脱ぐ。そうして裸で抱きあう。寒い季節限定の特権だ。なによりも人の肌というのは一番温かいのだ。
雪山で遭難をしかけた男女がいて、なんとか山小屋を見つけ、吹雪が止むのを待っているあいだ、濡れてびしょ濡れになったスーツをお互いに脱いで、裸になって、毛布にくるまって一晩をあかした。なんていうドラマや映画をくさるほど見てきたが、これはまんざら嘘ではない。
そんな寒い中で濡れた衣類を着ていたら、凍死してしまう。それだったら肌と肌を合わせ暖をとる方法が一番望ましいのだ。
冬になると性行為自体が減ってゆく傾向がある。風俗店などもそうだ。寒いので外出が億劫になってしまうからだ。開放的な夏に比べ、閉鎖的な冬。だからこそ、おすすめしたいのが、【一日中裸で過ごす】という健康法だ。
付き合っている男のいえに行くと、丸一日は家から出ずに裸で過ごす。もちろん、暖房はつけてあるが、寝たいときに寝て、したいときにし、食べたいときに食べる。という、原始的なスタイルをおこなっているあたしたちは、全く仲良しである。
隠すものがないので、裸は素である。素の自分をさらけ出すということはとても大事でストレス発散にもなるし、常に見られているという視線によって、肌ツヤもよくなるし、心も潤ってくる。裸のススメではないが、裸で過ごすと洋服を着るのが嫌になってしまうほどだ。彼氏が容認をしてくれるならぜひ、「裸で過ごす一日」を提案してほしいと思う。
しかし、きちんとカーテンをひき、外から見えないようにしないとならないので、ホテルの方が安心かもしれない。
女性は見られてこそ綺麗になる。男性の前で裸で過ごすという行為はまんざらでもない。彼氏がいないから。子供がいて無理だわ。そんな方は一人の時間があるのなら、一人になれる時間があるのなら、裸で過ごすのもいい。裸は適度な緊張感をうみ、適度な欲望を連れてくる。
見られることだけを前提にしないで、一人でも裸で過ごすこともとてもよいこと。核家族化で一人暮らしの女性も多いこの時代。お風呂や性行為以外でも裸になると、不思議とストレスもおさまってゆく。
きっと、人間は裸で生まれてくるからかもしれないし裸で死んでゆくのだから。自然の摂理なのかとも思う。寒いからこそ、小さく丸くならず、女を磨くチャンスのこの季節。裸は心を温めることをお忘れなく。