小中学校の同級生で
高校卒業時から現在に至るまで
ずっと風俗をやっている友人がいる。
仮に、山田とします。
あまり女性の友人の存在を
こういった場で公にするのは
よくないのかもしれないが
今日は今思っていることを書き記すために
少し山田の思想を紹介させてほしい。
山田には僕が女風キャストであることは
女風を始めて割と早い段階で伝えていた。
佐藤が女風とかウケる。
昼職やれるなら昼だけでいいじゃん。
と言われつつ
風俗ってこんなことが起こるよ
といったことなど
風俗キャストとしての心構えは
山田から学ぶことも多かった
山田からは色々なことを教わったが
奴が言っていたことで特に印象に残っているのは
「風俗で出会った人間を誰も信用するな」
「お客さん、スタ、同業、どんなにいい人に見えても、どんなに意気投合しても、どんなに人間性が立派に見えても、どんなにしっかりしてても、それでも信じちゃダメだよ」
という言葉だ。
いま、ラインを読み返して
このまま、送られてきたままコピペしている。
山田は一貫している。
現に、僕は山田の在籍店を知らない。
僕は山田の本名も、実家も知っている。
だからこそ、風俗嬢〇〇としての山田は
僕のことも信用していない。
僕はこのラインを受け取った時
そっか。山田が言うんだから一理あるんだろうね。
でも仕事って信用で成り立つものなんじゃないのかなっていう気持ちもあるわ
と返事していた。
すると山田は
佐藤がそう思いたいならそれでもいいと思うよ
けど、これから何年か続けてみると考え方変わっていくかもね。
私は自分とお金しか信じないから。
それがこの仕事で生きていくって決めたときに心に誓ったことなの
と。
今は山田の言っていることが
このやりとりをしていた時よりも分かる。
僕も自店他店問わず
同業者とはある程度距離を取っている
それは関わるのがめんどくさいからとか
下手に絡んで厄介事になるリスクを避けたい
という理由のみならず
様々なことを総合的に考えて
お互いのためにその方がいいからだ
運営にも、サポート等の感謝は伝えるし
悪くなんて思っていないけれど
それに乗じて馴れ合った場面は
今までに一度もない
様々なことを総合的に考えて
お互いのためにその方がいいからだ
では、お客様に対してはどうだろう。
正直、僕はお客様に対して
同業者や運営スタッフとの関係性のように
ある種割り切って接することに
ずっと葛藤してきたように思う。
いや、そう規定したくないと
思っていたと言った方がいいだろう。
僕が普段SNSで見せる僕は
ヘラヘラしていたり
すっとんきょうだったり
独特な笑いのツボだったりするが
何年かこの仕事を続けてきた中で
裏切りにあったこともある
欺瞞に満ちていると感じたこともある
クソみたいな世界だと思ったこともある
立ち回ったり、歯に衣着せて
発言しなければいけない場面もある
時に、風俗で出会った人間に対して
不信感を抱いてしまったこともある
なるほど、山田の言っていたことはそういうことかと時差で理解した。
でも、
それでも信じたいんだよ。
本当は信じたい。
心のどこかでまだそう思っている。
簡単に切れる関係だよ
退店したらもう二度と会うことはないよ
朝起きたら辞めていってるよ
でも、信じたい。信じたかった。
応援していた人間に、
お客さんに、
騙されたっていい
裏切られたっていい
僕がずっと、自分は風俗に向いてない
って言ってる理由はこれなんだ。
山田が、心を失ってる奴だなんて思わないし
むしろ正しいとすら思っているから
これは僕自身の問題で、答えはまだ出ていない。
佐藤
佐藤 充希の写メ日記
-
夜に泣く鵺鳥佐藤 充希