これはそう、今の物件に引越しをする時のお話し。
新居の部屋の採寸をしている時に便意をもよおしたのですよ。
これは下痢。そう確信しましてね。
でもまだ引越し前で何もない家なものですから、トイレットペーパーも何もないんです。
電気も通じてないのでウォシュレットも使えない。
せめて布さえあればと思ったのですが…流石にこの後予定があるのに今着ているシャツを使うわけにもいかない。
さてどうしたものか。
ふとキッチンに目をやると、何やら家関連の書類がいっぱいあるのが目についたのです。
「これだ!」
私、閃いたのです。
この紙を何回も何回もくしゃくしゃにしては広げ、くしゃくしゃにしては広げを繰り返して紙の繊維を柔らかくしたものを準備し、アナルを拭くのはどうか、と。
それでも普段使っているトイレットペーパーから比べたらその紙の硬さたるや、それはもう金タワシでアナルを擦るようなものだろうと…いやしかし大人の尊厳を守るために背に腹はかえられぬか、こちらも決死の覚悟、と。
そこで自分の中の理性が大きな声を上げ出したのです。
「この書類はここで使ってはマズイのではないかい?それに便器が詰まって大変なことになるのではないかい?」
なるほど、これはしたり!
ハッと我に帰り、別の手を打つべく急いで家を飛び出した。
そうだ、さっき道すがら近くにセブンイレブンがあるのを見かけたではないか。
肛門括約筋を存分に活躍させ階段を静かに、しかし確実に早く降りる。
5月の太陽とは思えないどの日差し。
ジリジリと照りつけられているにも関わらず、額には冷たい汗、すなわち冷や汗が滲み出ている。
「大丈夫だ、おれたちならやれる。
これまで何度もピンチをくぐり抜けて来たではないか。
なぁ、戦友(トモ)よ。」
と、肛門括約筋を鼓舞する。
ほら、セブンイレブンはすぐ目の前にあった。
自動ドアが開く速度が遅くもどかしい。
覚醒しているとこんなにも物の動きが遅く見える物なのか。
セブンイレブンの冷房が肌を刺激し便意に拍車をかける。
焦るな。
冷静に店内を見回すとトレイが奥の方に。
その方向に歩みを進めて3歩。
立ち止まった。
絶望した。
『新型コロナウイルス感染予防のため、現在トイレのお貸出はしておりません。』
omg
これまでか。これからお世話になるであろう、このコンビニの床を汚すことになるのか。
「おれはまだいける!別の店へ急げ!」
肛門括約筋が叫んでいる。
おぉ、戦友よ、なんと頼もしいことか。
あいわかった、ここはお前を信じようではないか。
確かすぐそばにサミットがあったはずだ。
ジリジリした日差しから冷房、そしてまた日差し、急激な温度変化に身体が弛みかける。
「おい、お前がまだやれるって言ったんだろ!頑張ってくれ!」
弛みかける肛門括約筋をさらに鼓舞して奮い立たせる。いや、これは武者震いなのか。
セブンイレブンを出るとすぐにサミットの看板が目に入った。
よし近いぞ。
入店し冷蔵コーナーを横切る。
セブンイレブンの冷房の比にならない程の強烈な冷気が襲いかかるも、この時すでにゾーンに入っていたため、強烈な冷気も足止めにはならなかった。
フロアガイドを血眼で探す。
その最中、構造的に1階にはトイレがないタイプと予想し階段とエスカレーターの位置も把握。
フロアガイドを発見し確認するとやはり地下と2階にトイレがあった。
今階段を登るのはまずい。でる。
地下一択だ。
最短ルートを瞬時に考え階段を選択。
1段1段が地獄の試練を思わせるほどだった。
階段を下ると目の前にトイレがあった。
しかし視線の端の方でご老体が恐らくトイレを目指している雰囲気。ヨタヨタとこちらに向かって歩いているようだ。
すまない、綺麗事でこの業界にいるおれも流石にここでは綺麗事を言っていられる状況ではなかった。
なにしろこっちは限界を優に超えており、リキッドが便な肛門括約筋で出たいのだからだ。
(もはや意味がわからない。)
トイレに駆け込む。
扉の鍵を閉める時間も惜しい!!
ベルトを外す音。
カチャカチャ
ベルトを外す音、カチャカチャとエロいよね。
そんな日記を書いたのか再投稿したのか忘れたが、
いや、何がエロいだクソくらえ!
こっちとらそんな工程どうでもいいんだ。
デニムとパンツを同時に下ろしながら着座!!
夏にはまだかなり早いと言うのにとても暑い5月、サミットさんには大変お世話になりましたよ。
えぇ。
家の近くにスーパーがあるって、大変便利なものなのですね。
有馬 伊吹の写メ日記
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