三
強引なセックスは好きだ。しかし合意のないセックスは嫌いだ。ときどき巷間で耳にする婦女暴行事件の話などを聞くと怖気が立つ。
しかし…
どうだろう。バーテンダーは私の視線の先で冷酷な目をして私の身体を舐め回すように睥睨している。そこからは強引なセックスという言葉から連想される優しさなどは全く窺えない。
バーテンダーは勢いよく自らの服を脱いだ。少し浅黒く、程よくついた筋肉が露わになる。つるつるとした肌は妖艶だが、暴力性も匂わせる。
「俺、本当は優しくないんだよね」
冷たい声だった。
「え…」
「起きて」
少し怯みながら私は身体を起こした。
「口開けて」
言われるがままおずおずと口を開くと、バーテンダーは涎を垂らして聳り立つペニスを私の口に突っ込んだ。
「んぐっ…」
「歯、立てるなよ」
私の呻き声を無視してゆるゆると腰を振り始めた。徐々に速くなる腰の動きについていけず、狼狽えているとバーテンダーはまた冷たく言い放った。
「舌、動いてないんだけど」
その声に目を上に向けると、そこには酷薄な薄笑いを浮かべるバーテンダーの端正な顔があった。
私は速いテンポで私の口を出入りするバーテンダーのペニスに必死に舌を這わせる。一日バーカウンターの向こうで働いた、むせ返るような男の匂いが鼻をつく。
次第にバーテンダーは私の喉奥まで進入してくる。苦しい。
「だめだなぁ。吸い付きも甘いよ。そんなんじゃお仕置きするよ」
バーテンダーは少し腰を引いて私に四つん這いになるように促す。
「咥えたまんまだよ。俺がいいって言うまで必死でしゃぶれよ」
「んぅ…」
私はバーテンダーのペニスを頬張ったまま四つん這いになる。瞬間、尻に鋭い痛みが走った。ぱん、という音を認識したのはその後である。バーテンダーは私の尻を平手打ちした。
「んっ」
「さぁ、早く気持ち良くしてよ。俺が腰振ってあげるから」
腰の速度が一層上がる。容赦なく喉の奥をついてくるペニスに思わずえずいてしまう。
「うっ…えっ」
「口から出すなよ」
初めて見るバーテンダーの性癖に狼狽えながらも、気がつけば私の中心はかつてないほど蜜に溢れていた。
康成の写メ日記
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「もう引き返せない」康成