生まれて来た時から僕らは
重大な重荷を背負う
いつか死ぬ事実に覚悟を持つ
そしてもう一つ
時間を共にする誰かが死ぬと
いう事実にも覚悟を持つのだ
準備はできないかもしれない
並行に生きれば当然といえば
当然なんだが、事実への直面
というものは中々にして辛い
受け入れ難い時さえあるのだ
なにせ人が迎える死ってのは
だいたい予告がないのだから
人の命の旋律とは螺旋階段を
降るもの、影ゆっくり消え去る
僕は子どもの時から死ぬって
言葉を聞くと親や友達が死ぬ
って想像をして良く泣いてた
特に両親が話すこれからの事
そしていつか死んでしまう事
その後は任せるからなって事
いつまでだろうか
きっと中学一年生くらいまで
そんな話しを聞けばトイレに
かけこみ良く泣いていたんだ
あれから大分時間は経ったし
何年ぶりだろうというくらい
の再会だ
連絡も取らないし、仲だって
そんなに良い方では無かった
どうしたって泣かないと思う
そう頭の片隅にあったのだが
現実というものは、上手くは
行かないもので実際の姿やら
言葉を聞くと取り留めのない
感じが溢れ出し、意図せずに
涙は流れる
あの頃は柔道ばっかりで辛く
俳優やってみたくて色々と考え
挑戦してみた時期があったの
応募して結果がくるなり母に
紙ごと破かれて捨てられてた
僕は、この先もやりたい事を
やらないのかと、悲しかったな
そんな時
父がたまたま合格通知の紙を
咄嗟に隠し、僕に渡してきた
中には入学金も用意されてた
嬉しくてたまらなかったな、
意外と簡単にテレビに出れた
その後は、ん〜上手くいかず
そんな出来事が脳裏に走った
多分一番嬉しかった思い出だ
何よりも感謝という気持ちで
心がいっぱいだったんだな
ありがとう
人の死に予告がないのは辛い
覚悟があっても準備はさせて
くれないのだから
人間ってのは凄い脆いもので
簡単に死んでしまうんだよね
気が付いた時には永遠の別れ
そして
人は人を容易く忘却の彼方へ
追いやり新しい時の流れへと
移ろう
しかし愛した者だけは違うな
愛した者の事は愛した僕らが
忘れずいれば良いんだ
そうすれば、愛した者の物語
のページはいつまでも続くよ
語り継ぐとはそう言う事だろ
明日の朝からは苦しくない日々が
続くよ、ゆっくり休めるからね
今までありがとう、おやすみなさい
槙島 蒼司の写メ日記
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終わりを見送る者槙島 蒼司