データ入力のバイトが
出会い系サイトの
サクラ募集だったために
飛んでしまった件。
面接が終わると
そのまま我々一同は
研修ルームに通されました。
研修ルームは
ホワイトボードと
たくさんのPCと
椅子がある場所で、
ここではまずリーダーと
呼ばれる方がサイトの
概要を説明してくれました。
どうもこの会社では
出会い系サイトを
かなりの数、
運営していたらしく
そのうちのひとつの
追加要因として
僕らは集められたようです。
サイトが複数あるのは、
なぜかと言いますと、
当時は出会い系サイトも
戦国時代に突入しており、
あらゆるジャンルに特化した
「尖ったサイト」の方が
ユーザーが利用しやすい
ということで
「○○専門」、
「○○向け」みたいな
サイトを次々立ち上げて
現在に至る
…ということでした。
そして今回
僕らが現場として
配属になるのは
「人妻専門出会い系サイト」
で、
サイト名は
当時人気絶頂だった
ジャニーズ5人組の
人気番組のタイトルを
もじったもので、
その名も
「妻っ○×妻○ぷ」
通称、「ツマツマ」と
呼ばれるサイトでした。
今でこそ
ネットを介した出会いは
マッチングアプリという
名称が確立し、
わりと健全なイメージも
浸透してきて
普通に皆が利用する
時代になりましたが、
当時は真面目なものも
怪しいものも
全てひっくるめて
出会い系サイトと
呼ばれていた時代です。
ネットでの出会いなんて
まだまだ怪しさの
象徴みたいな印象が
ありましたし、
こんなふざけた名前の
超絶不審なサイトに
ユーザーなんて
本当にいるのか…と
思ったものですが、
男性の性欲は全ての
疑念を超越するらしく、
現在ツマツマは、
数あるサイトの中でも
かなりの規模の売上を
誇っているとのお話しでした。
料金も近年の
マッチングアプリのように
月額いくら…なんて良心的かつ
明朗な会計ではなく、
1ポイント＝10円で購入する
ポイント課金制で、
男性会員は送られてきた
メールを開くのに20P、
返事を1通書くのに25P、
…みたいな、
ユーザーの財布を激しく
削っていくスタイルです。
記憶がかなり曖昧なので
実際の金額はもう少し
違ったかもしれませんが
「1ラリーで男性はタバコ一箱より
高いお金を払うんですよ」
…というリーダーのセリフは
非常に印象的だったので
よく覚えています。
そうしたサイトの
レクチャーを受けたのちに、
僕らは手元のPCで
いよいよサイトの
実際のデータ、
利用されているお客様の
ステータスや消費金額、
サイトのサクラが用意した
容姿端麗な
この世に存在しない
女性に向けて、
彼らがどんなメールを
送っているかを
見ていきつつ、
どんなことをすれば良いのか
レクチャーを受けていく
ことになりました。
（続
洋介の写メ日記
-
データ入力のバイトが出会い系のサクラだった2 洋介洋介
