風になびいた白いカーテン
澄んだ青の下咲いた愛らしさ
窓辺を飾る花畑が
眩い光を掬っては吐き出す
ほっぺたが落ちるほど美味しい酸素
白昼夢に飛ぶ淡い風船
真っ白な椅子に腰掛けて
二人は肩を並べていました
「ねえ見て、すごく綺麗だよ」
「本当だ、とても綺麗だね」
ないしょ話はくすぐったい
セーターチクチクあったかい
赤らむ頬は甘酸っぱい
指切りげんまん嘘つかない
幸福と幸福による連鎖
微笑み以外が生まれない
まるで汚れを知らないような
苦痛も忘れる夢見心地
二人は気づいて微笑んで
歩みは真っ直ぐ海へ行く
あまりに幸せ過ぎるので
二人はすぐさま死にました
今日が亡きものにならぬよう
二人はすぐさま死にました
お腹一杯食べたのに
いつしかまたお腹が減って
ご馳走を探し求める日々に
もう疲れてしまいました
今より幸せはいらないので
二人はすぐさま死にました
明日の朝日から逃げるため
二人はすぐさま死にました
絶った望みは絶望に非ず
信じたい今を貫く希望
沈む夕日になぞらえて
欠けていった二人の影
笑って消えた二人の今日は
もう二度と戻りませんでした
「さようなら
もう大丈夫
暗い夜はもう訪れない」
救いようの無い二人の未来に
己を信じれない二人の弱さに
次の幸せが来るはずもないと
悟ってしまった愚か者達
捨て台詞は湧き上がる感謝
例えその末路は悲しくても
人のあるべき姿でした
相馬みさきの写メ日記
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最後の贅沢相馬みさき
