インターホンで目が覚めた。
時計を観たらまだ昼の13時過ぎ。
こんな時間に誰だろう。
宅配かなと思いドアを開けるとそこに立っていたのは
おばあちゃんが2人。
数分だけ話を聞いて欲しいと言われ
眠過ぎて目もろくに開かない状況だったが断る勇気がなく承諾してしまった。
話を聞いているとどうやら宗教の勧誘だったようだ。
とてつもなく眠そうにしている僕はきっと、おばあちゃん達からは
そのままに「眠そう」とか「体調悪いのかな」とかそういう風に映っていた事だろう。
とりあえず「はい、はい」と言っておけばすぐ終わってくれるだろう。
だがしかし宗教の勧誘を前にそんな甘い考えは通用しなかった。
気づけば僕は何故か
目を瞑って下を向かされ、おばあちゃんは僕の頭に手をかざしお経を唱えていた。
もう1人のおばあちゃんはその光景を見守っている。
な、なんだこの状況はぁぁぁ!!
いつまでこうしていなきゃいけないのだぁぁ!!
すぐ終わるだろうと思っていた僕は
玄関框(段差)から片足だけサンダルの上に落とし
左手は壁に、右手でドアを開け身体が伸びている体勢。
その姿はまさにアラベスク!!
こうなってしまってはもはや己との戦いである。
次第に手足がぷるぷるし始めてきた。
おばあちゃんはお構い無しにお経を続けている。
もう1人のおばあちゃんはその光景を見守っている。
く、苦痛だ…
肉体的にも精神的にも苦痛だぁ…
しかし、なんだこれは。
儀式か何かか?
使い魔にされてしまうのか?
いったいどれだけの時間が経っただろうか。
あれこれ考えているうちに、ようやく儀式的なのが終わった。
おばあちゃん達はニコニコしながら
「体内を浄化しました、お腹の辺り熱くなってませんか?」
と。
はい、筋トレした後の様に身体がポカポカしています。
と心の中で答える。
おばあちゃん達はとても満足そうに帰って行ったのをみて僕も満足した。
だからもう来ないでほしい。
ハクナの写メ日記
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オフの日の出来事ハクナ