愛じゃなくていい、ただの温もりでいい。
夜が深くなるほど、心は静かにざわめく。
誰にも見えないところで、自分の輪郭が滲んでいく。
「寂しい」なんて言えない。
それを口に出した瞬間、
自分の弱さが形になってしまいそうだから。
だからあなたは、いつも強がる。
スタンプひとつで気持ちをごまかして、
寝たふりの時間を、ただスマホと睨み合って過ごす。
でも本当は、わかってるんでしょ?
今夜も誰かの優しい嘘に、包まれたいってこと。
「君が一番だよ」
「会えて嬉しい」
「帰したくない」
その言葉が本物かどうかなんて、
どうでもよくて、
たとえ幻想でも、
ひと晩だけでも信じられるなら、それでよかった。
──恋じゃなくていい、夢でもいい。
ただの体温の交換で、空虚が埋まるなら。
俺は、君の理性の境界線を、
指先ひとつで曖昧にして、
「それでも君は綺麗だよ」って囁く。
それが罪でも、救いでも、どちらでもかまわない。
今夜だけ、君を孤独から引き離せるのなら。
麗
麗の写メ日記
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夜になると、優しい嘘に包まれたくなる麗