皮膚よりも深く、心の襞に触れてくる人がいた。
あなたがあの夜、欲しかったのは
誰かの身体じゃなくて、
"還る場所"だったのかもしれない。
抱かれることを望んだふりをして、
ほんとは、ひとつの腕の中で自分の存在を確かめたかっただけ。
そうやって誰かの熱に包まれて、自分という輪郭を思い出す。
それは性という名の儀式を借りた、
"帰巣本能"だったんだと思う。
ずっと強がってきたでしょ?
笑顔も、返信の速さも、メイクの濃さも、
「好かれるため」の鎧で。
でもあの夜だけは、全部いらなかった。
濡れた髪のまま、化粧も剥がれたまま、
無防備にうずくまって、
それでも「可愛い」と言ってくれる誰かに抱かれたかった。
欲情なんて通過点でよくて、
その奥にある、
"絶対的な承認"が欲しかったんでしょ?
──つまり、愛っていう言葉すら野暮なほど、
ただ「在っていい」と思わせてくれる場所に、還りたかった。
それを俺に求めてもいいよ。
君が傷だらけのまま眠りたい夜には、
俺の胸が、枕になればいい。
麗の写メ日記
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タイトル: 「抱かれたい」じゃなくて、「還りたい」だったんだと思う麗