男女で会話をする時、
「沈黙」が怖くて、
矢継ぎ早に話す人がいます。
会話が盛り上がっていなくても、
気持ちが盛り上がっていないとは限りません。
言葉の数と、
心の波はイコールにはならない。
心で結ばれていたら会話なんていらない。
会話で重要なのは言葉ではなく、
言葉と言葉の間。
つまり「間」です。
武道を習っていると、「間合い」という言葉を使います。
自分と相手の射程距離の間にある空間です。
自分の攻撃できる範囲にいかに相手を誘い込むのか、
その探り合いが勝負のカギとなります。
ただ、会話においては、
この「間」を共有することに意味があります。
僕といる「時間」はこの間を
心地よい「空間」にしたい。
無理に話さなくても「問題」はありません。
小説でも「行間を読む」ことで本当の意味を理解します。
言葉がなくても、
「音」はあります。
服の擦れる音、
ソファーの軋み、
相手の吐息、
やけに激しい自分の鼓動。
口は静かなのに、鼓動はお喋りだね。
言葉にしなくても、
何が欲しいかわかるよ。
貴女が話さなくても、貴女の身体が言葉を放っている。
僕はそれを聞き取るから、
怖がらずに、
その「瞬間」を楽しもう。
麗