燕真の写メ日記

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santuarioの燕真（えんしん）です


灯りを落とした部屋に

ぼんやりとした橙色の光が揺れている

雛人形が見下ろすその空間には

甘くふくよかな白酒の香りが漂い

貴女の吐息に混じってゆっくりと溶けていく


「こんな夜に、こんなことをするなんて……」


貴女は朱塗りの盃を指でなぞりながら

恥じらうように伏し目がちに笑う

薄桃色の着物の襟元がわずかに乱れ

白いうなじがちらりと覗く

俺はそっと手を伸ばし

その繊細な肌に指先を滑らせた


「ひな祭りは、貴女のためのものだろう？」


俺の低い声が耳元をくすぐる

貴女は微かに震えながらも

その言葉に逆らうように俺の手を取る


「でも今夜は……私だけのものじゃないわ」


雛壇の前

桃の花がそよぐように

二人の影が寄り添い

静かに溶け合っていく


santuario　燕真