4月ももう終盤になって
ふと新卒時代のことを思い出した
部活もずっとやってたし
大学にも通わせてもらってたから
初任給くらいは親孝行に使いたい
当時そんなことを考えていて
フレンチのコースをご馳走すると
親にはそんな偉そうなことを言っていた
そして迎えた初任給の支給日
口座に振り込まれていたのは
なんと”7万円”だけ
いやいや少なすぎるでしょ
そう思うかもしれないけれど
これにはちゃんとカラクリがある
当時の会社の給料は
10日締めの月末払い
10日分の給料しかもらえないならば
少なくても当然だ
だけど僕はそんなの聞き流してたから
すごく焦ってしまった
フレンチのコースなんて奢ったら
生活費なんて無くなってしまうからだ
結局親には謝って
近所の小さなイタリアンに行くことにした
だけど
1人2000円もしないようなお店なのに
僕が会計した時に、母は泣いていた
きっと金額の問題じゃなくて
気持ちが嬉しかったんだと思う
今は昔より稼げるようになって
少ないけれど仕送りだってしている
だけどその代わり
実家にはほとんど顔を出していない
当時と今とを比べたら
一体どちらが”親孝行”なのだろうか
僕の両親もかなりいい歳だ
顔をあわせる機会だって
もう数えるほどしかないかもしれない
たまにでいいから
実家に顔を出してみようかな
なんとなく、そんな気持ちになった