【『柚香のグルメ 池袋ディープ中華編』】- 柚香(santuario)- 性感マッサージ

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柚香の写メ日記

  • 『柚香のグルメ 池袋ディープ中華編』
    柚香
    『柚香のグルメ 池袋ディープ中華編』



    JR池袋駅を降りた柚香白柚五郎は、ふとした縁で訪れることになった街の風景を見渡しながら、腹の虫が鳴くのを感じた。「腹がへった……」そして池袋西口を抜けた裏通りに、足を踏み入れる。繁華街から少し離れるだけで、そこはもう異国の風景だった。看板はすべて漢字、耳に入るのも中国語ばかり。通りの端からはどこか懐かしいような、強烈な香辛料の香りが漂ってくる。

    「池袋にもこんな場所があったのか。」
    彼はふと足を止めた。目の前にはくたびれた黄色い看板が掲げられている。みたことのない漢字の看板の端には赤い字で「本格東北料理」と書かれているが、本当に本格なのか、怪しいのか、判断がつかない。

    店内を覗き込むと、ガラス越しに湯気に包まれた厨房が見えた。大きな鍋を豪快に振るう姿が映り、その度に火柱が一瞬上がる。
    「よし、今日はここだ。しかし本当に入っていいのか……?」
    少し怖気づきながらも、柚五郎は意を決してドアを開けた。


    入った瞬間、全員の視線が彼に集中する。客も店員も、全員が中国語で話している。まるで異世界に飛び込んだ気分だ。
    「こ、こんにちは…」
    ぎこちない挨拶に、異様にテンションの高いお姉さんが「ニーハオ!!」と笑顔で返す。だが、それ以降の会話は完全に中国語。柚五郎には何が何だか分からない。


    そして、厨房の奥から無骨な顔立ちのおじちゃんが現れた。顔は無表情だが、眉が濃く、腕には鍛えられた筋肉が浮き出ている。片手には油で黒ずんだ中華鍋を握っている。
    「吃饭吗?」
    彼は無骨にそう言った。何を言っているかわからない。しかし、ここで帰るわけにもいかない。

    柚五郎が頷くと、おじちゃんは無言で適当に空いている席を指差した。


    席に座り、渡されたメニューを開く。そこに並ぶのは漢字だけ。「牛肉汤」「锅包肉」「麻辣香锅」  全く読めない。写真も一切ない。
    「これは……クイズか?いや、もはや試練だな。」

    柚五郎が困惑していると、おじちゃんが無言で隣に座ってきた。片言の日本語で、「これ、肉スープ。これ、揚げ肉」とメニューを指差す。柚五郎はその無駄のない説明に妙な説得力を感じ、頷いた。
    「じゃあ、それでお願いします。」

    おじちゃんは頷き、何も言わずに立ち上がる。そして厨房に戻るなり、大声で何かを叫んだ。勢いよく火柱が上がり、中華鍋を振るう音が響く。香ばしい香りが漂ってきて、柚五郎の期待感は一気に高まった。


    最初に運ばれてきたのは、湯気を立てる大きなボウル。中には濃厚そうなスープと、巨大な肉の塊がゴロゴロと沈んでいる。上にはパクチーがこれでもかと載せられている。
    「これ、肉スープ。」
    おじちゃんは無愛想にそう言い残して、また厨房へ戻った。

    柚五郎はレンゲを手に取り、スープを一口すする。
    「おお!!深い味だ。」
    スープは複雑な香辛料の味が絡み合い、濃厚ながらもどこかスッキリとした後味がある。肉を一口かじると、柔らかくてジューシー。スープの味がしっかりと染み込んでいる。
    「これは当たりだ……本格って、こういうことか。」
    柚五郎は無心でレンゲを動かした。

    続いて運ばれてきたのは、「锅包肉」と呼ばれる揚げ肉料理だ。黄金色の衣が甘酸っぱいタレに絡められ、まるで宝石のように輝いている。
    「これ、揚げ肉。甘い、でも酸っぱい。」
    おじちゃんが簡潔に説明して去る。

    柚五郎は箸で一切れをつまみ、一口食べた。
    「おお!」
    衣はサクサクで、中の肉は驚くほどジューシー。甘酸っぱいタレが口の中で広がり、箸が止まらなくなる。
    「このバランス……完璧だ。甘いのに重くない。揚げ物なのに軽い。」
    柚五郎は夢中で皿を空にした。


    すべてを平らげた柚五郎は、満腹感と達成感に包まれていた。これほど濃厚な料理を食べながらも、体が重く感じないのは不思議だ。店を出ると、外の冷たい風が頬を撫でた。
    「本場の中華……恐るべしだな。この深さはクセになる。」

    ふと振り返ると、おじちゃんが店の入り口で葉巻を咥えながら立っていた。その目はどこか誇らしげに見える。柚五郎は軽く会釈して、店を後にした。




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