3.主観的価値
前回、前々回と引き続き、今回も「セラピストの価値」について分析していく日記を書いております。
初回にあげた日記では、セラピスト個人の価値というのはいかに決定づけられているのか?という問題提起を行い、二つ目の日記においては、一度その問題提起から離れ「客観的価値」という概念を学んでいただきました。
そして、第3回目となる今回は、前回挙げた「客観的価値」と対立する概念「主観的価値」をまた新たに導入していきます。
では始めます。
主観的価値とは、その名の通り主体及び個人の主観に基づいた完全に独立した価値判断であり、そこになんら普遍性を持たないものであります。
大丈夫です。以下で噛み砕いて説明していきます。
具体例を挙げます。
例1.あなたは、見知らぬ街を1人を炎天下の中1人で歩いています。当然、すぐにノドは枯れはて、水を欲しますが、近くにはコンビニが見当たりません。そこでちょうど500mlの水300円で売りつけてくる男と出会います。男の提案を断りこの先すぐに、より安価な水にありつける保証がないと判断したあなたはすぐに彼の誘いにのります。そして、コイン三枚と、いろはす500mlを交換します。本来ならばそのいろはすは108円で買えるところをあなたは300円で買いました。なぜなら今のあなたには、その水が300円以上の価値を感じたためです。この300円以上という数字があなたにとっての主観的価値といいます。
いろはす500ml = 108円=客観的価値
いろはす500ml ≧ 300円=主観的価値
例2. あなたが交際しているその恋人は普段料理は全くせず、出前やコンビニで食事を完結させていました。そして、あなたの誕生日の日、恋人はあなたのために手料理を振る舞います。慣れない事をしたせいか、彼の部屋のシンクは鍋やら野菜の皮で大変散らかっており、その料理の見た目も決して美しいとは言えません。ただし、彼が作った料理はあなたが過去にさりげなく恋人に話した好物ばかりでした。彼は、自分の稼ぎだとまだシックなレストランに君を連れてはいけなかったんだと申し訳なさそうに言います。しかし、あなたは彼の料理を目に涙を浮かべながら頬張り、「貴方の料理は私にとってどんな高級レストランのそれより大切で温かいものよ」と言います。
高級レストラン>彼の料理→客観的価値
高級レストラン<彼の料理→主観的価値
となります。
以上二つの例では、わかりやすいように、客観的価値と主観的価値が異なるように書きましたが、当然場合によってはそれが等しくなることもあります。むしろそちらの方が多いくらいです。
チョコレート好きな貴方は
コンビニのチョコレートよりもパトリック・ロジェ(パリの高級ショコラティエ)の方が価値があると感じるように。
コンビニチョコ<パトリック・ロジェ
→客観的価値であり、主観的価値
では、なんとなく主観的価値がどのようなものであるかわかっていただけたでしょうか?
最後にその構成要素を少しまとめて、今回の第三章は終わりにします。
主観的価値
① その価値判断の主体が完全な個人、もしくは特定の共同体にのみ行われたもの
②その価値判断は普遍的なものではない。当然、その非普遍性というのは個人の中でも適応され、その個人の状況によってもその価値は変わる。
③当然、その価値というのは主観で行われたものであるため、他の主観から決定づけられた価値とは必ずしも一致しない。
以下でただいま挙げた、主観的価値の構成要素を解説していきます。
①はそのままですね
②例えば、あなたの喉の渇きによってあなたにとっての水の価値が変化するということ
③あなたが好きな食べ物に他人は価値を見出さないというようなこと
では、次回からは前回と今回の内容を踏まえて、ようやく女風の世界に視点を変えていきます!
正直いうと1-3回目の日記はそれからの論を支える前提知識のようなもので、ここからが本番です!
お楽しみに!
柚香の写メ日記
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セラピストの価値③〜主観的価値〜柚香