暖かい木漏れ日に包まれた昼下がり
窓に程近いお気に入りの場所で、つらつらと夢と現実の間を漂うあの時間が好きだった。
夜のそれとは違って、絶えず運動し続ける社会への反逆のようなものを感じながら目を閉じる。
ソファの上に体を横たえて、ぼんやりとまどろみながら、気だるい時の持続を感じる。
次第に、身体とそれに接触する物質との境界、耳に届く子供達の声、東洋の紅茶の香り、それらが全て曖昧になり、それはまるでモネが描く印象画の世界に迷い込んだようだ。
ついに、時間の感覚まで外から切り離されたならば、君は夢の中へ無事に移行できたのだろう。
その官能的な瞬間は全体への自己同一化という人間の根源的な欲求、つまりそれは一種のエクスタシーとなり得るもの。
アダムとイブから始まった自と他の戦いの休戦。
その瞬間を愛する君と共有できるならばなんとそれに勝る快楽は得られよう。
ああニンフ。君が望むならば、僕は喜んでその泉に身を投げ出そうじゃないか。
柚香の写メ日記
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牧神の午後への前奏曲柚香