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永士の写メ日記

  • 「セラピストにサヨナラ」
    永士
    「セラピストにサヨナラ」

    夜の帳が下りる頃
    夢の国へと足を踏み入れる。
    ネオンが揺れる路地
    赤提灯の明かり
    カウンターにずらりと並ぶ瓶の数々。
    ここ夢の国と呼ばずになんと呼ぶ。
    ここは、大人だけが入れる魔法の王国。

    一杯目のビールが喉を駆け抜ける瞬間
    現実の重たさがすっと軽くなる。
    日頃の疲れがこの泡にまぎれて消えていく。

    グラスの向こうで交わされてる会話は
    時に哲学的で、時にどうしようもなくくだらない。
    でも、どんな話にも真剣にうなずいて
    何度でも同じ話を繰り返すのが
    ここでのルール。

    気づけば終電の時間も過ぎ
    時計の針が深夜を指してる。
    「そろそろ帰ろか」と誰かが言うけど
    誰も立ち上がろうとはしない。
    もう1杯、あと1杯ーーー

    外に出れば、街の灯りがぼんやり滲んでいる。
    少しふらつく足取りで
    夜風を浴びながら思う。
    この酔いが覚める頃には、
    また現実に戻るんや。
    でも、それでいい。
    今夜ここにあった笑い声や温もりは、
    確かに俺たちのものだった。

    夢の国は、ミッキ◯がいる例のあそこだけじゃない。
    酔いの中に、語り合う時間の中に、
    小さな魔法を見つける。



    santuario大阪 永士