時計の針が静止したまま
僕の心の中で、君がただひとり遠くから見守るように
時間はすり抜け空間だけが広がる
君の声は、夜空を渡る風のよう
その響きが、僕の胸をそっと撫でる
言葉がなくても、目の奥に映る光のように
僕はそれを感じる
時間を忘れた僕たちは
まるで夢の中のように
同じ瞬間を、繰り返し歩いている
その足音が、自身の心に寄り添う
秒針の止まった世界で
すべてがひとつの音を奏でる
でもその音はまだ聞こえない
風の中でささやかれるような
微かな、ただの予感だけが残る
僕の目の前の世界が
少しずつ色を失っていくけれど
君の存在だけが
白い光のように、僕を包み込んでいる
止まった秒針の中で、
僕たちはただお互いの影を探しているだけ
その影が重なったときに初めて
時が動き出すことを知っているから
進の写メ日記
-
止まった秒針進