vol.113『実樹のドZINE』
なんとなくルームフレグランスにこだわろうと思って。
映画で超能力を持った系の主人公が中盤くらいで敵に囚われて気絶して目が覚めたら閉じ込められてる真っ白い無機質な部屋って言ったらイメージしてくれます?
そんな感じの無機質なルームフレグランス屋さんで新しいのを買ったの。
瓶に木の棒をぶっさすタイプのヤツな。
店員さんに一つ一つご丁寧に香りを紹介してもらって、おしゃれなのでもちろん値札など無し。
「おしゃれ」と「値札」って対義語ですからね。
値札がないくらいじゃ怯みませんよ、僕元々すっごいおしゃれなんですよ。おしゃれ番長…いや、おしゃれ生徒会長…おしゃれ合唱コンクール指揮者くらいの称号が正しいかな。マエストロよ。クラスをおしゃれで牛耳ってた。なんせ中学生なのにカシミヤのマフラー巻いてたからね。剃り込みの中に小さな文字で「カシミヤ」ってタトゥーを彫ってました。
そのまま成長したので、なんか"イタリアのリゾートのカフェのテラスをイメージした匂い"っていう、もう僕じゃ取り扱えない特級呪物みたいなルームフレグランスを一つ選んで、レジに並んだんです。
思ってた3倍くらいの値段だった
もちろんそのまま買いました。
だって店員さんと何種類もの香りを嗅ぎ分けて選んだんだもん。
いまさら「ちょっと芳香剤がこんなすると思わなくて…」なんて言えないじゃん。大人ですよ?僕は?
その反動か家についたら精神が子供がえり。
じゃがりこを束食いしながら「そういやポケモンの映画ってあんま観てないや」って思って最新作の「ココ」を観たらミュージカル感あって面白かった!
え、マジか…おもろ…と思って『ポケモン 映画 面白い』でググって、ミュウツー以外で評価の高い作品を探したらどうやら『ラティアスとラティオス』のヤツが面白いらしい、しかも水の都ってテーマでイタリアのヴェネツィアが描かれてると!
ちょうどさっき"イタリアのリゾートのカフェのテラスをイメージした匂い"のルームフレグランスを買ったばかりだぞ!ってカタカナ多すぎて脳内で噛みそうになりながらも「アレクサ?これは運命だよな?」って話しかけて「すみません、よくわかりません」って返ってきたけど。
めちゃくちゃ興奮状態で、イタリアの香りでイタリアがテーマの映画満喫したろ!って思って、ポケモンの映画をつけて、東映の波しぶきのうちに設置したろっと思って、急いで瓶に木の棒をぶっ刺そうとしたら、こぼした。
アリアリアリ…アリーヴェデルチ!ってブチャラティの決め台詞を叫びながら、慌てて瓶を縦にしたものの、半分くらい俺のイタリアが床に溢れた。ビチャビチャ溢れた。
仕方ないから一番いらないバスタオルで拭いた。
瓶よりバスタオルの方がイタリアの匂いが香るから、そのまま部屋に干したろかなって思ったけど、洗濯カゴの中にぶち込んだ。
いまうちの洗濯カゴはイタリアの半分なので南イタリアですね〜おしゃれ〜。
ライフ・イズ・ビューティフル。
どんな日常だろうと君にまで繋がってるなら、喜んで越えていくよん。
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山手線は今日も僕らのLOVEのために走ってくれてる。
【東京/横浜萬天堂】実樹/みき
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実樹の写メ日記
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vol.113『実樹のドZINE』実樹