信号待ちをしていると
傘をさしている人とささない人がちょうど半々ぐらいの空模様だった
時間に遅れるのがなんとも怖くて苦手だ
到着時間が早すぎて
一時間近く駅前の本屋で時間をつぶした
外に出ると秋前のこの季節の夜は
なんとも心地いい
そういえばこの時間帯って
親元に住んでいた頃では
近所から様々な料理の匂いが漂っていたなぁ
待ち合わせ時間が近づいてきたので
新入社員同期で仲良くなった四人で
久しぶりに顔を合わせた
あの頃レンガ造りの高架下にあるこの場所で
いつもいつも語りあっていた
そう時間がタイムスリップしたみたいに
あの頃の思い出が一瞬にして蘇る
ほろ酔い気分になると電車の音もまた心地よくなる
四人と解散した後
始まった秋を連れ去り僕はこれからどこへ向かおうとしているのだろう
なんだか季節のグラデーションが混じり合った気分になる
どんな一日を過ごしてもまた日常がやってくる
何か面白いことがおきるかな
この世の中まだまだ何があるかなんてわからない
僕はほどいたネクタイが結べず何度も何度も挑戦していた
恭介の写メ日記
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ガード下の居酒屋恭介