抑揚のない棒読みな声
絵本のような街並み
突然降り出すスコールのような雨
この光景の不思議さはなんだろう
他人に決して親切ではない僕が何故か壁のようなものを感じなかった
あまりの暑さにクーラーの設定温度を18℃に下げ風量を最大にしても
部屋の蒸し暑さは消えていかない
脱ぎ捨てたシャツの中でスマートフォンが光っている
久しぶりに沖縄に帰った元後輩からのメール
「生きてますか?」
何年経ってもこういうメールを貰えるのは嬉しいもんだな
普通の勤め人になりなさい
母親によく言われた言葉
普通の定義ってなんだろうと
子供ながらに違和感を感じていた
健康で幸せに暮らすことが普通なら
今の暮らしは悪くない位置にいるのかもしれない
「恭介さん、傘、ありがとう」
フライドポテト食べながら返された
恭介の写メ日記
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その傘あげる恭介