毎朝起きて、豆を挽いてマグカップ3杯分のコーヒーを淹れる。
そのうち、2杯を飲んで、1杯分をボトルに入れて車に乗り込む。
豆に拘りなんてなく、100gで¥1,000もあれば、1kgで¥1,000でも。
なんでもいい。
僕に味なんてわからなくていい。
そんなことより、毎朝2杯飲めればいい。1杯持って出れればいい。
ホットコーヒーであればいい。
コーヒーはホットコーヒー以外飲めないから。
気温がどうとか、体調だとか、相手に合わせるとか関係なく。
ホットコーヒー。
ほっとしなくていい。
僕だけが渋く苦々しい味に舌奥を刺激されていればいい。
僕の孤独が必ずそこにあるから。
失った沈黙が、静けさが孤独のなかにあるから。
そういう人生の小さな孤独。