僕は24歳だけど、さすがにこの年齢になってくると、友達の結婚話が舞い込んでくるようになる。でも、特にコロナ禍を経て思うことは、結婚式の規模が小さくなってきていること。実は、このブライダル業界はコロナ禍を経て打撃を受けた業界の1つなんだよね。緊急事態宣言を受け、結婚式や披露宴を中止したり延期したり、そんなカップルが増えたんだ。実際にブライダル業界は2000年代までは好景気を迎えていたんだけど、コロナ禍を経て、業界が縮小し始めたんだよ。
このブライダル業界がどうしてうまく回らなくなってしまったのか。女風キャストとして、お客様の要望をしっかり聞くことの大切さを感じたから、ちょっとこの件について考えてみたい。
そんな中でブライダル業界は、単価を上げることを目標にしたんだ。もともと結婚式の平均単価は300万円くらいだったんだけど、コロナ禍を経て焦った業界は、500万円を目指すことにしたんだよ。僕、この考えは面白いなと思ったんだけど、ブライダル業界は口コミが機能しにくいんだ。だって、例えば友達が〇〇で結婚式を挙げて良かったからって、自分も〇〇で結婚式を挙げたいって思うかな?かぶりたくない、って思う人も多い気がする。だから良い口コミを聞いたからって、「自分もそこで!」とはなりにくいらしいんだよね。
同時に、悪い口コミも機能しない。そんなことをしてしまえば、自分たちの結婚式が失敗したと公言しているようなものになってしまうし、同時に結婚式にはリピーターもまずないわけで。だって、リピーターって再婚だから、まぁ同じ場所で結婚式を挙げたいとは思わないケースが多いんだと思う。そう考えると、ブライダル業界における顧客って一見さんなわけで、だからビジネスにしてみれば、契約さえしてしまえばこっちのもの!みたいなところがあったんだと思う。
しかも今は、初婚の平均年齢が上がっているよね。男性で31歳、女性は29.4歳、しかも人口も減っているから、かつてのような大規模な結婚式を望む人も減ってきているんだ。それにもかかわらず、ブライダル業界では高い利益率を上げようと躍起になってしまい、小規模な結婚式を望むカップルからも敬遠されてしまっているらしい。売り上げのために努力しても、それが裏目に出てしまう結果になったんだよ。
僕たちキャストはどうだろう。お客様の都合に合わせて、僕たちは様々なご予約をいただくよね。120分のお客様もいるし、ロングのお客様もいる。でも、僕たちはそれぞれのご予約を丁寧に扱わないといけないと思う。売り上げばかりを意識してロングのお客様だけを重視するキャストもいるらしいけれど、それじゃダメなんだ。お客様の負担にならないよう、お客様の希望に合わせていろいろ提案することこそ、僕たちのする時代なんじゃないかな。