とあるきっかけで、相撲の話題が出て…ふと思い出したことがあったので。
お相撲の「立ち会い」って、考えてみるともの凄く変わっている。
通常は誰かが「試合開始」を宣言して(たとえばボクシングだったらゴングが鳴って)、試合が始まるんだけど、相撲の場合、行事が告げるのは「時間いっぱい」だけ。
実際の開始は、二人の力士の呼吸によって決まる。
これって、なんとも妙な話。
こういう形式になったのには色々理由があるんだけど、その一つが「第三者が公平とは限らない」から。
つまり、行事が試合開始をコントロールした場合、どちらか一方に有利になるよう、いわば「えこひいき」する可能性がある。
また、たとえ故意でなくても、結果としてどちらか一方に有利になってしまった、というケースもありうる。
そうなると、罪なき第三者がいらぬ恨みを買うことになる。
そうならないためには、どうしたらいい?
一つの答えが、「試合の当事者ふたりで、合意の元で試合を始めればよい」ということ。
これが、今の相撲の立ち会いの形式なのだ。
合意と言っても「お互いに言葉を重ね、主張と妥協を繰り返して、落とし所を探す」という、普通にイメージする合意とは違う。
身体感覚を研ぎ澄ませ、お互いの動きと意図を感じながら、一瞬の間に交わされる「合意」だ。
妙な話、お互い敵同士なのだけど、そこにはどこか深いつながりが感じられる。
少なくとも、立ち会いの瞬間は2人の間で「合意」が形成されて、お互いの動きや意図のタイミングが一致している。
立場や状況は違えど、どこかで僕の仕事と重なるところがあるように思う。
たとえ一瞬であっても、相手と呼吸がつながる。
それが、途切れることなく続く。
たとえ途切れることがあっても、またつながる。
それは、僕が目指す性感やマッサージの姿でもあるのだ。
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