前回は、「燃え尽き」とは「仕事に対する『理想』と『現実』のギャップに引き込まれる」ことで、「消耗感」「シニシズム」「達成感の低下」などを感じる、ということを話した。
では、燃え尽きの原因と、その対処法は何だろう?
著者のジョナサン・マレシックは「現代では仕事と人格・人生の達成が強固に結びついている」と指摘している。
仕事ができない人間はその時点で人格を否定される。
仕事ができる人は稼ぐために、もっとがんばらなければならない。
仕事=アイデンティティ・自己実現という考え方が、現代の資本主義、新自由主義社会には蔓延していると説いている。
一つ例をあげてみる。
たとえば「自分は仕事ができない」ということを同僚や友人に言うことを想像してみてほしい。
かなりの抵抗があるんじゃないだろうか。
同じ人に、たとえば「自分は卓球がヘタ」と公言するより、遙かにハードルが高いと感じるんじゃないだろうか。
「仕事ができない」ことに対する恥の感情はとても強くて、それは僕らが仕事を無意識のうちにとんでもなく大切なことと認識しているからに他ならない。
だから、著者は意外にも「燃え尽きに個人でできることはあまり多くない」と語っている。
瞑想をしたり、長期休暇を取ったり、転職したり…
それは1つの手段かも知れないけれど、その価値観に囚われている限り、その価値観を共有する社会にいる限り、燃え尽きのリスクからは逃れられない。
続く。
市村三座の写メ日記
-
息抜きしてる?隠れた病「燃え尽き」のはなし (2)市村三座