僕は西洋画、日本画問わず美術が好きで、美術館にもよく行く。
そんな中で、比較的最近（ここ2・3年）に好きになった作家もいて、その一人がマティス。
「色彩の魔術師」という二つ名の通り、色彩感覚は抜群。
そして、ヘタウマっぽい画風に見えて、実はデッサンがものすごく上手くて、何度も書き直した末にあのヘタウマっぽい完成形に到達している。
何より、マティスの描く女性たちには不思議な魅力がある。
大抵、女性を絵画に描くと、官能や母性が主になってしまうのだけど、マティスの描く女性にはそれがあまり感じられない。
でも魅力が無いかといえば全然そんなことはない。
強いていえば「そこにいる」「人として存在している」ことに対する魅力、というんだろうか。
確かに人、確かに女性だけど、そこには型にはまった魅力ではなくて、マティスがそういうものをそぎ落としていった末に見つけた、その人の芯が描かれている気がするのだ。
ちなみに、マティスも女性関係は色々あって、モデルとの浮気したり、離婚したり。
同時代のピカソよりはマシかも知れないけれど、芸術家なので、まあ、品行方正ではなかったりする。
