この仕事を始めてから、お客様から教えていただいたこと、自分で勉強したこと。
とにかく、沢山のものを得ることができて、その中で、僕自身の考え方もずいぶん変わったと思う。
その1つが「不安」に対する考え方と、その対処方法だ。
以前は、不安には言葉でもって対処するのが良いのではないかと考えていた。
実際、言語化、つまり「言葉」の力は強力だし、誰かに話を聞いてもらって楽になるのは事実。
でも、そこには限界もある。
例えば、忘れもしない2011年の東日本大震災。
放射線への不安は、科学的な知識だけではなかなか払拭できなかった。
具体的な脅威に対する不安には、もちろん論理的な思考や言語が強力な武器になる。
でも漠然とした不安や孤独からくる不安、そして過去のトラウマのような、向き合うことがつらくなるような不安には、あまり有効でないように思う。
そういう不安は、精神的な現象というより身体現象――肩こりや腰痛と同じように捉えた方が良いのではないだろうか。
実際その手の不安は、体の緊張や違和感と切っては切り離せない関係にある。
心身一如(しんしんいちにょ)、つまり心と体は1つ。
こういう考え方は、比較的最近になって身についてきたように思う。