日本の緊急通報の電話番号は110番、そして119番ですが、このような番号は世界共通ではありません。例えばアメリカの991番はよく知られていますが、フランスなら112番、イギリスなら999番、オーストラリアは000番、ニュージーランドは111番など、各国で異なるんです。
世界初の緊急通報の番号は、イギリスで定められたそうです。覚えやすいようにと111が候補になりましたが、当初は回線事情が悪かったんですね。そのため雑音が3回続いた際に交換機が111と解釈してしまう可能性が危惧され、111は却下されました。当時の電話は交換手に電話をして繋いでもらうスタイルでしたが、0は交換手への直通番号だったため、000にもできなかったんです。そこで999にすれば、誤って0を回したとしても交換手に繋がるだけなので問題ないだろうと考えられ、999になったそうです。
1972年、EU全体で緊急通報番号を決める際、同じ理由で111が候補となりました。しかし、当時はプッシュ式の電話機で偶然ボタンが押されてしまい。111が発信される可能性が問題視され、112が選ばれたそうです。
選んだ番号は違うにせよ、どこに国でも緊急通報番号は「すぐに通報できる番号であること」「間違いが起こらないこと(特に緊急ではない電話が緊急通報番号にかからないこと)」が考慮されていることがわかりますね。