寒い季節は特に、お風呂がありがたく感じるものです。そんなお風呂で入浴剤を使う人も多いのではないでしょうか。入浴剤がどのように普及したのか、知っていますか?
端午の節句の菖蒲湯や柚子湯のように、薬湯は古くから親しまれています。江戸時代になると治療を目的としたものが処方化され、皮膚病などに用いられるようになりました。そして明治時代になり、生薬を配合して布の袋に入れ、煎じるようにと作られたものが入浴剤の始まりですね。最初は温泉成分を乾燥させて粉末にしていましたが、昭和に入ると無機塩類入浴剤ができあがり、それこそ僕たちが日々お店で見かける入浴剤へと繋がります。今ではリラックス感を助長し、入浴を楽しむといった目的を持つものが増え、色素や香料にも工夫が凝らされています。
まだまだ一般家庭にお風呂がなかったころは、入浴剤は公衆浴場で使われていたそうです。しかし1960年代、高度経済成長を経て、各家庭にお風呂ができあがりました。1980年代に入ると炭酸ガス系の入浴剤が発売され、人々に愛されるようになります。そこから温泉ブームが起こり、多くの入浴剤が発売されました。
ストレス社会の今は、疲労回復、痛みの緩和、美容、気分転換や癒しなど、様々な効果を期待できる入浴剤が愛されています。日々のリラックスタイムに欠かせない存在と言っても良いかもしれませんね。