3月には桃の節句がありますが、5月になると端午の節句があります。端午の節句と言えば菖蒲。では、なぜ菖蒲なのでしょうか。
中国では、菖蒲が持つ強い香りは邪気を祓うとされ、邪気払いに使われていたそうです。また、菖蒲は菖蒲湯として使用されるだけでなく、お酒に浸して飲むこともあったのだとか。
奈良時代、端午の節句が日本に伝わった際、菖蒲も合わせて伝わりました。平安時代には、宮中行事として端午の節会が行われるようになり、菖蒲を身に付けたり飾ったりしたと言われています。
鎌倉時代から江戸時代、端午の節句は男の子の行事として認知されるようになりました。時は武家社会。だからこそ、「勝負」「尚武」などの言葉にかけられた菖蒲に、男子のたくましい成長を願ったんだそうです。
つまり、端午の節句に菖蒲の花が重視される背景には、厄除けだけではなく、武家社会の考え方が反映されているんですね。