「どちらにいたしますか?」って聞いたことはありますか?例えば、「プリンとシュークリーム、どちらにいたしますか?」ってやつです。これ、敬語としては正しくないんです。
「いたす」は「する」の謙譲語。そう聞くと、敬語としては間違いないように聞こえるかもしれません。でも、「どちらにする」か選ぶのはお客様、つまり「する」という言葉の主語はお客様になりますから、そこに謙譲語を使うのはおかしいですよね。謙譲語は主語がへりくだり、相手を高める言い回し。つまり、主語とお客様として謙譲語を使うと、お客様をへりくだらせることになります。
じゃあどうすれば良いのか。この場合は尊敬語を使います。そのため、「どちらになさいますか?」が適切な言い回しです。「プリンとシュークリーム、どちらになさいますか?」が正しい言い方。
細かなところですし、気にしない人もいると思います。でもどうせ言葉を使うなら、誰に敬意を向けているのか、しっかり意識して敬語を使いたいなと思うんです。