たまに営業DMなどでも見かけるようですが、(笑)という言葉、本当に営業DMなどで使っているのでしょうか。最近は「w」や「草」なども使われているのかな、年代によって違うみたいですが、この(笑)、そしてここから派生した表現には、ちょっと注意が必要だと思っています。
この(笑)は、実は第二次世界大戦前から使われているんだそうです。最近のネット用語かと思いがちですが、もともと議会やホテルなどの速記録で、その発言が行われた状況を表現するために使われていたそうですよ。帝国議会の議事録にも(拍手)(笑聲)などと書かれているんです。また、文芸誌の座談会記事でも(一同笑う)などと書かれており、戯曲や放送用の台本でも、ト書きで笑う場所が指定されていたのだとか。
つまりこれは、もともと話し手の様子やその状況を説明するための言葉。しかしこれが徐々に変化を遂げ、嘲笑の意味を持つようになりました。例えば、「おかしいんじゃないの(笑)」といった言い回しです。そのため、(笑)を安易に使ってしまうと、「侮辱された」と思われる人もいるわけです。本人は照れ隠しや、失敗した時の自己防衛で使っているのかもしれませんが、例えば「おきれいですね(笑)」なんて言ってしまえば、ふざけてんのかと思われる可能性もゼロじゃないわけです。
気心知れた相手に対して使うなら問題ありません。しかし、少なくとも営業で使うような言葉ではない気がしますね。