スマホってね、小さい「わ」が打てるんですよ。「ゎ」ってやつね。何のためにあるのだろうと思った人はいませんか?実は、これには理由があるんです。
今でこそ「か」と言えば1つの音ですが、昔の日本語の「か」には2つの音があったんです。わかりやすく言えば、KAとKWAの2種類。そしてこれを区別するために、歴史的仮名遣いでは「ゎ」が必要だったんです。例えば「家事」は「かじ」ですが、「火事」は「くゎじ」 。このように、「ゎ」を使うことで、この2種類の平仮名の違いをうまく表現していたんですね。
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出してみてください。「北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろと言い...」の文。有名ですよね。「北に喧嘩や」と書いてしまえば簡単ですが、これ、原文では「北ニケンクヮヤ」と書かれています。「北にけんくゎや」、つまり、「喧嘩」は「けんくゎ」と書かれているわけです。こういう時に小さい「ゎ」が使われており、それがスマホでも表現できるようになっているんです。