寒い日が続きますが、寒くなると言えば怪談(ちょっと強引かな)。怪談と言えば夏の風物詩ですよね。夏になると、テレビなどでも心霊写真やホラー映画などの特集が組まれたりしますが、実は「怪談=夏」というのは日本だけだそうです。それならなぜ、日本では怪談が夏に好まれるのでしょうか。
恐怖を感じ、寒気を感じて暑さを忘れる。そんな感覚の人もいるかもしれません。確かに日本の夏は暑いですもんね。しかし、それは俗説なんです。夏に怪談が求められる理由には諸説ありますが、一般的には、夏、歌舞伎が「涼み芝居」ということで怪談を上演したのが始まりだったと言われています。例えば「東海道四谷怪談」などは有名ですよね。
そそして、夏に行われていた怪談歌舞伎は、民俗芸能である「盆狂言」の伝統を引き継いでいるのだとか。夏には「お盆」があります。そしてこの「お盆」は、あの世から亡くなった方々がこの世に帰ってくると言われる時期ですよね。そして当然ながら、帰ってくるのは大切な家族のご先祖様だけではありません。弔ってくる家族のいない霊、恨みなどを抱いたまま亡くなった霊、そのような霊の苦しみと成仏を演じたものが、この「盆狂言」だったそうです。
そしてここから、「お盆」のある夏は霊魂が帰ってくる季節であり、霊について語る季節、つまり「怪談の季節」となったそうですよ。