僕たちの生活には当たり前のように浸透している缶入りのお茶。この缶入りのお茶を開発するには10年の歳月がかかったと言われていますが、実はこのお茶、開発されてもなかなか簡単には売れなかったんです。
なぜかというと、「お茶はタダで飲むもの」というイメージが強かったから。もともとお茶をお金で買うという文化がなかったため、人々はそこにお金を払う意義を見出さなかったんです。確かに、今でも「お金を出して水を買わなくても」という人もいますから、なんとなくそんな感覚と言っても良いかもしれません。
そこで伊藤園は考えます。伊藤園の営業職員が出張した際にひらめいた方法が、「お弁当と一緒にお茶を販売する」という方法でした。新幹線の駅弁と一緒に、缶入りの煎茶を売ろうと考えたんですね。ここから伊藤園は営業を開始し、お弁当屋さんやコンビニでもお茶が販売されるようになりました。
実は、当時は「煎茶」が読めない人も多かったんだそうです。そこで、当時のコマーシャルで使っていたキャッチフレーズ、「お~いお茶」を商品名に変えることで、人々の認知度を上げていきました。名前はとても大切ですよね。
こんな努力の果てに、自販機でもお茶が買えるようになったんですよ。