僕はお香が好きなんです。お香を焚くと、なんだか気持ちが落ち着く気がする。そんなお香ですが、どうやって日本に入ってきたか知っていますか?
お香は、もともと今のタジキスタンに含まれるパミール高原という場所で生まれたと考えられています。その後インドに伝わり、そこから仏教の拡大とともに世界各地に広まっていきました。紀元前5世紀後半に仏教が生まれ、お香は「焼香」として利用されるようになったんです。
そして日本においては、奈良時代に書かれた日本の歴史書であり、『古事記』と並んで最も古い歴史書の1つと言われる『日本書紀』に、その記述があります。『日本書紀』によれば、推古3年(595年)の夏、淡路島に流木が漂着したそうなんですね。そして人々がこの流木を薪として火にくべたところ、素晴らしい香りが遠くまで広がり、人々はこれを朝廷に献上したとのことです。これが、日本におけるお香に関する最古の記述です。
ちなみに、聖徳太子がこのことを知り、この流木がお香だと見抜いたということで、この流木の話は『聖徳太子伝暦(しょうとくたいしでんりゃく)』という、聖徳太子の伝記にも同様の記述があるそうですよ。