カレーと言えば、日本人の誰もが愛するものの1つではないでしょうか。しかしカレーと言えばインドから来たもの、と思う人もいるかもしれません。なぜカレーは、日本で国民食の1つになったのでしょうか。
日本人がカレーに出会ったのは江戸末期。そして明治時代の1871年、物理学者の山川健次郎氏がアメリカに向かう船の中でカレーに出会ったのが始まりだとされています。日本にカレー粉が伝わり、カレーが一気に日本に広まっていきました。さらに1871年には肉食が解禁されたこともあり、洋食店でカレーが提供されるようになったのです。
1905年、日露戦争が終わった年に日本で初めてカレー粉の製造がはじまりました。当時はイギリスのC&B社のものが主流でしたが、輸入品だったため、かなり高価なものだったと考えられますね。そんな時に国内でカレー粉が作られるようになったわけですから、カレーの人気はさらに大きくなります。それによって洋食がブームになり、これはまずいと考えた和食店が洋食の流行を取り入れ、カレー南蛮やカレーうどんを考え出したんですよ。
1927年には下町でカレーパンが販売され始めます。そして戦後、1948年にカレーが給食に導入され、2年後の1950年には板状固形カレールーが販売されました。これによって、カレーは気軽に家庭で食べられるものへと変化していったのです。
面白いと思いませんか?そう考えると、確かに香辛料であるカレー粉はインドから来たものでもありますが、日本のカレーはイギリスのカレー粉から始まっているため、イギリスの影響を受けていることもわかります。そして、洋食であるカレーと和食であるうどんや丼ものなどが融合したメニューは、洋食の流行を取り入れた和食店の工夫によるもの。物事は変化していくのだということを大きく考えさせられます。