「ごめんなさい」に似た言葉として、「すみません」という言葉があります。この言葉は「済む」の否定形で、普通に考えれば「まだ終わっていない」という意味になりますよね。それなのになぜ、僕たちはこの言葉を「ごめんなさい」という意味で使っているのでしょうか。
「済む」の語源は「澄む」と同じだと言われています。「気持ちが収まらない」「気が済まない」「気持ちが晴れない」といった意味ですね。「済みません」には、相手に迷惑をかけてしまった場合などに「このままでは私の気持ちが済みません」「私の気持ちが晴れません」という意味があり、そこから「「ごめんなさい」という謝罪の言葉として使われるようになったと言われています。
また、「素敵なお土産をすみません」と言えばお礼の意味になります。これは、「お土産をいただいたのに私は何もできず、気持ちが収まりません」という意味なんです。誰かを呼びかける時に「すみません」と言えば、これは相手の動きを止めてしまうことに対する謝罪になります。「済みません」には、総じて謝罪、感謝、呼びかけ、依頼、という4つの意味があるんです。
面白いと思いませんか?しかしこの言葉、ビジネスで使う場合は気を付けましょう。カジュアルな言葉とみなされる可能性があり、ビジネスの場で「すみません」を多用すると、謝罪などの程度を軽く見られてしまう可能性があります。仕事で謝罪する時は、「すみません」ではなく「申し訳ありませんでした」と言えるようにしておきたいものです。