ディズニーランド。最近では若者離れが起こっているなどと指摘されていますが、実はこのディズニーランドの経営戦略には、学ぶものがあるんですよ。ここでは日本のディズニーが導入した3つのビジネス戦略を紹介したいと思います。(ここでは、日本のディズニーを『ディズニー』と呼ぶこととします。)
まず、新たなビジネスモデルを見つけること。これは、今まで自分たちが得意としてきた領域以外の場所で、既存のビジネスでは届かない顧客がいて、その領域には競合がおらず、新たな顧客獲得ができる領域に手を伸ばすということです。日本のディズニーにとって、「おとなディズニー」がまさにそれでした。もともとディズニーと言えばアメリカの方針から、客層は家族と子ども。それ以外には注目されていなかったんです。
しかしディズニーは、その大人たちを客層に取り込もうと考えたのです。特に大人の女性をターゲットにしようと考えたディズニーは、特に雑貨を広く展開させることになります。化粧雑貨、ホーム雑貨、ファッション雑貨、文房具などを拡大していき、新たな顧客を獲得したんです。これは海外のディズニーにも大きな影響を与え、もはや「おとなディズニー」と「ザッカ」という言葉が、特にアメリカ本社では共通語として使われるようになったそうですよ。
2つ目に導入した戦略は、完全成果主義。業績によって、昇進や降格、年収が決まります。どれだけ媚びを売っても、ゴマをすっても、業績によってすべてが決まるんです。日本では馴染みのないやり方ですよね。そこでディズニーは、Sを最も高い評価とし、A、B、C、Dと5段階で評価をするにあたり、このようなルールを設けました。
1.ただ目標を100%達成しただけならB
2. 目標の達成度がかなり良ければA
3.そのうえで会社にとってさらに意味のある価値を提供できればS
4.CとD評価はボーナス0、その分をSとAの評価の社員に回す
大胆なやり方にも見えますが、これは「目標を100%達成するのは当たり前」という緊張感を生み出しました。そして、会社にとって意味のある価値を出せばSをもらえるという、完全成果主義の意識の浸透に成功したんです。
そして最後に、ディズニーに頼る企業とは組まないというルールを設けました。コラボする相手は勝ち組企業と決めたのです。これは人間関係でも似たところがあるかもしれません。一緒に組むなら、自分の力で立てる人と一緒に組んだ方が、よっぽど良いものができあがります。自分におんぶにだっこの人よりも、自立している人。こういう相手とのみコラボをすると、ディズニーは決定したんですね。
このようにして、ディズニーの売り上げは7年間で2.5倍になったそうです。厳しいようにも見えるルールがありますが、このようなビジネスのヒント。僕たちにも、学べるところがあるように思うんです。