日本では、皆さん靴を脱いで家に入りますよね。場所によっては「靴を脱いでお上がりください」といったところもあり、例えば靴を入れる棚があったり、絨毯の色が変わっていたりすれば、例え「靴を脱いで」と書かれていなくても、「ここは靴を脱ぐ場所だな」と判断できることもあります。
しかし、海外の国々を見てみると、日本のように「家の入口に玄関がある」という文化を持つ国は少ないんです。それはいったいなぜなのでしょうか。
まず日本は、高温多湿な国なんです。そのため家屋は高床式の構造になっており、玄関の段差が設けられています。確かに、玄関では一段上がるようになっていますよね。これは「湿気を逃すための工夫」なんです。
また、「外」と「内」を明確に分けたがる文化があることも、その理由の1つだと言えるでしょう。歴史的に、日本では武家や貴族の家には玄関がありました。しかし、一般庶民が住む家には玄関がなかったんですよ。武家や貴族は「外」と「内」をしっかりと分け、敷居をまたいで履物を脱ぎ、畳の部屋に入る、という生活をしていたのです。これが後々伝統的な住居として、全域に広がっていったと言えるでしょう。
つまり、玄関で靴を脱ぐ理由は、気候、そして歴史的な理由が存在するからなんです。