若い時を思い出してみてください。誰しも、制服を着て学校に通った経験があるのではないでしょうか?一部の学校には制服がありませんが、大体の中学・高校には制服があります。しかし、例えばアメリカやヨーロッパを見てみると、制服のない国がほとんどですよね。なぜ日本には制服文化があるのでしょうか。
1879年当初、学習院では生徒同士が服装を競っていたため、制服が導入されたと言われています。この時、学習院では詰襟の制服が採用されました。そして1885年には、東京師範学校女子部で洋装が導入され、翌年は帝国大学で金ボタンの付いた詰襟の制服が採用されたんです。多くの女性が着た経験を持つであろうセーラー服は、1920年、現在の平安女学院である高等女学校で採用されました。
戦時中は服装に気を配る余裕などありませんでしたが、1950年には詰襟やセーラー服といった制服が復活します。日本は合成繊維産業に力を入れていたため、これも制服を普及させる一役を担いました。1960年代にはブレザーが出現し、1980年代以降はおしゃれにも力が入り、特に私立校を中心におしゃれな制服が広がっていったんです。
こう考えると、制服の始まりは学習院。教育の平等を目指した日本だからこその政策であり、戦後は合成繊維産業という分野を広げようとしたことから、今のように制服が当たり前になった、と言って良いのかもしれません。